外国産昆虫の羽化 初成功 命の大切さ飼育通し学ぶ 川棚町オオクワガタ研究会

成虫まで育ったオウゴンオニクワガタ=川棚町

 クワガタの飼育を通して命の大切さを学ぶ東彼川棚町オオクワガタ研究会は本年度、初めて外国産クワガタの飼育に取り組み、卵から成虫まで育てるのに成功した。
 飼育したのは東南アジア地域に生息するオウゴンオニクワガタ。つがい1組が産んだ四つの卵を、4組の小学生に担当を割り振り、育てた。うち1匹は幼虫時に死んでしまったが、3匹は羽化した。
 年間を通して気温が高い東南アジアの環境を再現するため「恒温槽」という特別なケースで温度を管理したり、幼虫の餌となる菌糸が腐りやすいため小まめに交換したりするなど、国産のクワガタと比べて飼育の難易度が高かった。
 町立川棚小5年の白尾陽菜さん(11)は「ネットで調べて『飼いたい』と思ったけど、飼育にはいろいろな大変さがあるとわかった」と感想。研究会の山下勝会長は「『飼いたい』より『飼えるか』が大事。無責任なペット遺棄が問題化する中、命の大切さや生き物を飼う責任を学んでほしい」と話した。

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