巨人の2メートル新人・秋広の活躍に他球団スカウト真っ青「どうして5位まで残した?」

7日も結果を残した秋広

巨人の超大型ルーキー・秋広優人内野手(18=二松学舎大付)が、7日の日本ハムとのオープン戦(札幌ドーム)に「9番・一塁」で出場し、3打数2安打とまたしても結果を残した。2回に日本ハムのドラフト1位ルーキー右腕・伊藤大海(23=苫小牧駒大)の直球を左前へ弾き返すと、7回には変則右腕・鈴木健から143キロ直球を中前へ。そんなドラフト5位入団の高卒ルーキーの活躍が、他球団へ波紋を広げることにもなりかねないという。

7日の試合前には、原監督自ら秋広の打撃を指導。突っ込みぎみだったポイントを、懐を広く持つように助言を受けた。すぐに結果を出した新人に指揮官は「内容が良かったと思いますよ。並ではないよね。あれだけの打球ってなかなかやっぱりね」とうなずいた。

「いい感触でした」とマルチ安打を振り返った秋広だが、そんな〝規格外ルーキー〟にはネット裏の評論家たちも驚きを隠せない。

本紙評論家の得津高宏氏は「ドラフト5位入団の高卒ルーキーが、1年目のこの時期まで一軍に残っていること自体がそうそうないこと。巨人で言えば松井秀喜だって開幕は二軍だった」としながら、その打撃内容についても「ここまで実戦で結果を出していますし、内容もいい。打っているのは真っすぐだけという声もありますが、プロの真っすぐにしっかり対応できているのがすごい」と絶賛。

さらには「柔らかさもあって逆方向にも打てますし、打てるボールをどんどん打ちにいく積極性もいい。腰から下の低めのゾーンが得意なようで、自分が打てるポイントをしっかり持っている。リーチが長くてローボールヒッターというと山本功児(巨人、ロッテ)を思い出しますが、彼をスケールアップしたイメージで、今は細い印象の体がしっかりしてくれば、大谷翔平のような長打力もついてくる。目指すべきところはやはり、大谷のような打者でしょうね」と今後の成長に期待した。

ただ、その一方ではこんな懸念も…。得津氏は元スカウトとしての立場から「彼が開幕でも一軍に残り、5月ぐらいまである程度の結果を残すことができれば、他球団のスカウトは真っ青になるでしょうね。どうしてこんな選手をドラフト5位まで残していたんだ、という責任問題になりかねません。各球団ともリストには名前はあったんでしょうが、担当スカウトはどうしてもっとプッシュしなかったんだ、となるはずです」と、秋広フィーバーが他球団にも波紋を広げるのではと指摘した。

このまま結果を重ねていけば…。球団では1959年の王貞治以来となる、62年ぶりの高卒新人開幕スタメンも夢ではない。

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