Rソックスの「スーパー・ユーティリティ・トリオ」に注目せよ

日本時間3月8日、レッドソックスはレンジャーズからフリーエージェントとなっていたダニー・サンタナとのマイナー契約を正式に発表した。サンタナは招待選手としてスプリング・トレーニングに参加し、開幕ロースター入りを目指すことになる。レッドソックスは今オフ、球界を代表するユーティリティ・プレーヤーのエンリケ・ヘルナンデスとマーウィン・ゴンザレスを獲得しており、3人の「スーパー・ユーティリティ」が1つの球団に集うことになった。

2017年以降の4シーズンで、1シーズンに内外野の全7ポジションを守った選手は延べ21人いるが、そのうち15本以上の本塁打を放ったのは延べ4人だけ。メジャー全体で、2018年に16本塁打を放ったゴンザレス、2019年に28本塁打を放ったサンタナ、そして2018年に21本塁打、2019年に17本塁打を放ったヘルナンデスしかいない。内外野の全7ポジションを守りながら打撃でもチームに貢献した「スーパー・ユーティリティ」の3人全員が今季レッドソックスに所属することになったのだ。

メジャーリーグの歴史を遡っても「内外野の全7ポジションを守ったシーズンに15本塁打以上」を達成した選手は非常に少なく、2016年以前では1995年のスコット・ブローシャス、1998年のホゼ・ヘルナンデス、2009年のベン・ゾブリスト、2016年のショーン・ロドリゲスの4人だけ。よって、3人の「スーパー・ユーティリティ」が揃ったチームは過去に例がないということになる。

3人のうち、ヘルナンデスは正二塁手として起用される見込みだが、チーム状況に応じて他のポジションを守るケースは出てくるだろう。また、ゴンザレスとサンタナはスイッチヒッターのため、アレックス・コーラ監督は相手投手との相性や主力選手の疲労度を考慮しながら、無数のパターンのオーダーを組むことができる。これほどフレキシブルにオーダーを組み替えられるチームは他に見当たらない。

マイナー契約のサンタナにはメジャーのロースター入りというハードルがあるものの、「スーパー・ユーティリティ」を3人揃えたチェイム・ブルームCBOの試みは非常に興味深い。2年ぶりに監督に復帰したコーラがこの「スーパー・ユーティリティ・トリオ」をどのように活用していくか注目だ。

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