「ふるさとで“心呼吸”の旅」県民県内割引スタート 宿泊申し込み殺到

 長崎県民を対象にした県内宿泊料金割引キャンペーン「ふるさとで“心呼吸”の旅」の販売が8日始まった。全7万泊分のうち、コンビニで同日扱う4万泊分が午後の早い時間帯に完売。新型コロナウイルス感染症の影響で集客に悩む宿泊業界からは、歓迎の声が上がった。
 県と県観光連盟が経済対策として実施。県内428施設が登録し、観光ポータルサイト「ながさき旅ネット」に掲載された。県民は1枚(1泊)6千円の宿泊券を千円で、1人5枚を上限に購入できる。4月末まで使えるが、国の「Go To トラベル」とは併用できない。県内市町の同種キャンペーン(現在は長崎、大村、壱岐、雲仙、東彼川棚)との併用は可能。
 8日午前10時からのコンビニ扱い分のネット販売は午後1時半ごろ「想定を超える早さ」(県)で終了。県は9日午前10時からコンビニ分を追加販売する。事務局の電話(050.8881.6347)でも受け付けたが、全6回線が混み合った。
 県内4ホテルを展開する九州教具(大村市)は初日でも「かなりの申し込みがあった」。担当は「感染対策をした地元のホテルに安心して泊まれる、いい機会にしてほしい」。長崎市内で民泊「おやど紀伊国屋」を9カ所運営するハウジングロビーL&P(同市)は「Go To再開まで厳しいと思っていたが、反響に期待したい」と話した。
 雲仙市・小浜温泉街の伊勢屋旅館では4組が早速利用した。草野春奈おかみ(35)は「卒園や卒業記念の家族連れが増えるタイミングの補助はありがたい。昨年の県民割引を使ったリピーターも多く、県民の助けに感謝したい」とした。
 一方、ある女性公務員は昼休みに電話したがつながらず購入できなかった。「平日販売は勤めている人に不利。旅行を計画しホテルも予約していたのに残念」と不満を募らせていた。


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