JOCの〝五輪離れ〟対策は日本選手団の不祥事ゼロ「国民から信頼を」

不倫騒動から復帰した競泳・瀬戸大也

日本オリンピック委員会(JOC)は9日、選手強化本部会をリモートで開催。2020年度の各種事業内容などが報告された。

JOC選手強化本部長で東京五輪の選手団総監督を務める尾懸貢氏(61)は開会あいさつで「スポーツ界全体が夏・冬の大会に向けて着実に歩んでいる。残された時間は短いが、競技力をさらに向上させ、一人でも多くの選手が五輪という檜(ひのき)舞台に立つこと、そこで個々が力を出せるようにオールジャパン体制でサポートしていきたい」と決意を口にした。その一方で「大会開催への国民の支持はいまだに高くありません」と現状を受け止めつつ「人間力なくして競技力の向上なし」と話し、アスリート強化とともにスポーツ界の未来に思いをはせた。

また、2021年度は新型コロナウイルス禍の影響で延期した東京大会(夏季)、北京大会(冬季)と五輪2大会が開催。異例の年へ向けて、IOCインティグリティ教育事業では日本選手団の「不祥事ゼロ」をポイントに掲げる。上田大介インテグリティ教育ディレクター(38)は「選手団の一挙手一投足はソーシャルで配信される時代。社会からの信頼性を確保するために、不祥事ゼロを〝一丁目一番地〟に掲げて段階的に教育を徹底していく」と語った。

近年はアスリートの不祥事のみならず、競技団体や五輪関係者による醜聞が続く。ただでさえ国民の〝五輪離れ〟が進むだけに、信頼回復には「不祥事ゼロ」が絶対条件だろう。

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