巨人・秋広〝62年ぶり記録〟を左右するDeNA三浦監督の頭の中

ナインを出迎える巨人・秋広(右から3番目)

“令和の王”になれるか。巨人のドラフト5位ルーキー・秋広優人内野手(18=二松学舎大付)が快進撃を続け、1959年の王貞治(現ソフトバンク球団会長)以来、実に62年ぶりとなる高卒1年目で開幕スタメンの可能性が浮上している。快挙達成へ期待感がふくらむチーム内では、DeNAの開幕投手が誰になるのかも注視。三浦大輔監督(47)の決断にヤキモキしている。

夢はまだ続く。宮崎キャンプ中に一軍昇格を果たした秋広はオープン戦でもアピールを続け、原監督をも「並ではないよね」と言わしめた大器だ。身長2メートルながらクセのない打撃フォームで、ファーストストライクは迷いなく振り切る積極性や変化球への対応力の高さも高評価されている。新人離れした規格外男に開幕スタメンの待望論が持ち上がるのも当然だろう。

それにはまず、一塁争いを勝ち抜く必要がある。ウィーラーや8日から昇格した育成の山下、12日のオリックス戦(京セラ)から合流予定のベテラン・中島らが当面のライバルとなる。

そして、いかんともし難いもう一つの“関門”が相手との兼ね合いだ。巨人の開幕カードは本拠地・東京ドームでのDeNA戦。ただ、開幕投手がまだ決まっておらず、巨人側では「相手が右なのか、左なのかによって秋広がスタメンで使われるかどうかは変わってくるだろうね。誰になるのかな…」と三浦監督がどんな断を下すのかに注目が集まっている。

現状で有力候補は右投げでは昨季、チーム最多の10勝をマークした大貫や平良、左では浜口の名前が挙がる。ただ、三浦監督は熟考を重ねており、明言するまでには至っていない。

もちろん、巨人サイドは巨大旋風を巻き起こすルーキーへの期待感にあふれている。しかし、そこは勝負の世界だ。球団関係者も「開幕スタメンを取れたらすごいことだし、そうなってほしい気持ちもある」としつつ「チームの目的は勝つこと。状況に応じた起用になるはず」と付け加えた。

10日のソフトバンク戦(ペイペイドーム)に「8番・一塁」でスタメン出場した秋広は、2打数無安打で、オープン戦の通算打率は2割8分6厘(14打数4安打)となった。左右別の打率では2月の対外試合とオープン戦を合計すると、対右では28打数8安打で対左は9打数無安打となっている。

開幕スタメンに名を連ねる可能性が高まるとすれば、右の大貫か平良か…。それとも、今後の秋広が左投手からも結果を残して巻き返していくのか。いずれにせよ、まだまだ秋広から目が離せない。

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