「マエダはエースだ」 MLB公式サイトがツインズ・前田を分析

昨年2月にドジャースからツインズへトレードされた前田健太は移籍1年目の昨季、11先発で6勝1敗、防御率2.70という好成績を残してアメリカン・リーグのサイ・ヤング賞投票で2位にランクインした。過小評価されがちだった自身の実力を結果という形で証明し、今季は球団発行のメディアガイドで単独表紙を飾るなど、名実ともに「ツインズの顔」となりつつある。メジャーリーグ公式サイトでは前田について分析している。

まず興味深いのが、今季の成績予想で算出されている数字だ。代表的な成績予想システムのうち、「Steamer」は今季の前田の防御率を4.27、「ZiPS」は4.12、「PECOTA」は2.65と予想。「Steamer」と「PECOTA」の差(1.62)、「ZiPS」と「PECOTA」の差(1.47)はともに100イニング以上投げると予想されている投手のなかで最大となっており、前田に関して評価が割れている様子がうかがえる。

メジャーリーグ公式サイトでは、前田がドジャースでの4年間で右打者を打率.199に抑えていたことを紹介。これは球界トップクラスの数字である。また、2019年にはスライダーの「得点価値」がメジャー全体で7番目という高評価を受けていた。昨季は左打者に対してこのスライダーを多投することで成績向上につなげた、と分析されている。

前田は昨季500球以上を投げた投手のなかで、速球の使用割合が最も低かった(28.5%、2位は田中将大の31.6%)。被打率の高い速球の使用割合を減らし、得意のスライダーやチェンジアップを多投することでハードヒット(強い打球)を回避し、飛躍的に成績向上につながったというわけだ。

「約2ヶ月の好成績を6ヶ月のシーズンでも再現できるか」という点が懸念されるが、名手アンドレルトン・シモンズの加入でバックの守備力がアップしているといったプラス材料もあり、メジャーリーグ公式サイトは「昨季の再現は可能」との答えを出している。

具体的な成績予想については、「PECOTA」の予想通りに防御率2.65を記録するのは難しいとしつつも、防御率3.10前後という「PECOTA」寄りの成績を予想。「彼がこの成績を6ヶ月継続すれば、ツインズはかなり満足するだろう。その活躍がホワイトソックスの地区優勝を阻止し、チームを3連覇に導くかもしれない」とツインズのエースとなった前田の活躍に期待を寄せた。

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