イノシシ被害最少 長崎県内2019年度農作物 防護柵など対策奏功

 長崎県は11日の県議会農水経済委員会で、2019年度のイノシシによる県内の農作物被害は前年度比約6千万円減の約8200万円にとどまったと明らかにした。記録が残る1991年度以降、最少だった。
 県によると、被害のピークは2004年度の約4億6千万円で、その後は減少傾向。県はイノシシによる被害対策を農家に指導する「A級インストラクター」の育成に力を入れ、これまでに市町や県職員ら464人を認定。このほか市町や地元猟友会と協力して、延べ1万4千キロを超える侵入防護柵の設置、山地と農地をすみ分ける129地区の緩衝帯整備、集落単位の捕獲隊設置など一連の対策を展開したことが奏功したとみている。
 県はさらなる被害軽減のため、捕獲情報をリアルタイムで地図上に落とすなど情報通信技術(ICT)を活用したシステムを構築しており、普及を図るという。

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