米人気歌手のザ・ウィークエンド グラミー賞に決別宣言「もはや何の意味もない」

スーパーボウルのハーフタイムショーで歌うザ・ウィークエンド(ロイター)

米音楽界で〝最高の栄誉〟とされるグラミー賞の発表・授賞式が14日、ロサンゼルスで開かれるのを前に、人気歌手ザ・ウィークエンド(31)が今週、同賞と「今後一切関わることを拒否する」と米紙ニューヨーク・タイムズに語った。

〝決別宣言〟に至った理由は、今年のグラミー賞でザ・ウィークエンドが〝まさかのノミネートゼロ〟だったことだ。

というのも、昨年リリースされた4枚目のアルバム「アフター・アワーズ」は世界的にも大ヒット。国際レコード産業連盟による2020年の年間世界売上ランキングでは、ビリー・アイリッシュやテイラー・スウィフト、ジャスティン・ビーバーらを押しのけ、BTSの「マップ・オブ・ザ・ソウル7」に続く2位だったのだ。

米芸能サイト「TMZ」によると、ザ・ウィークエンドがグラミーに完全スルーされた背景には本人が先月7日のNFLスーパーボウルのハーフタイムショーでのパフォーマンス披露を選んだことだったという。

グラミー賞のノミネーションが発表されたのは昨年11月。その時点では同賞の発表・授賞式は今年1月31日に予定されていた。TMZによると、同賞とスーパーボウルとの間隔が1週間だったことから、グラミー側はザ・ウィークエンドに「グラミーかスーパーボウルのどちらかを選べ」と迫ったという。

ザ・ウィークエンドは「両方の出演が可能」と伝えたが、話し合いが決裂。結局、スーパーボウルを選んだことで、その後に発表されたノミネーションでは〝完全無視〟されたと同歌手は訴えている。

その経緯からザ・ウィークエンドは同賞の選考過程に透明性は無く、不正が行われていることは明白だと主張。ニューヨーク・タイムズ紙に「今後、自分の音楽がグラミー賞に応募することはない」と宣言した。

グラミー賞を主催する米レコーディング・アカデミーのハーヴィー・メイソンJr会長は同歌手がノミネートされなかったことに不正はなかったことを強調している。

ザ・ウィークエンドはこれまで3つのグラミー賞を受賞しているが、「もはや何の意味も持たない」と言い切った。

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