パドレスの9回は誰が担う? クローザー経験者4人による競争

パドレスのジェイス・ティングラー監督はまだ今季のクローザーを指名していない。既存の戦力であるドリュー・ポメランツとエミリオ・パガーンに加え、今オフはマーク・マランソンとキーオニー・ケラを獲得し、クローザー経験者は4人となった。相手打者との相性や登板間隔などの状況に応じて複数の投手を使い分ける可能性もあるが、ティングラーはシーズン開幕までにクローザーを1人に決める方針だという。誰が熾烈な競争を制することになるのだろうか。

昨季のパドレスは絶対的守護神のカービー・イエーツ(現ブルージェイズ)が故障し、ポメランツと昨季途中加入のトレバー・ローゼンタール(現アスレチックス)がチーム最多の4セーブを挙げた。ポメランツは昨季の最終登板で3失点を喫するまで開幕から19試合連続無失点。20試合に登板して防御率1.45という素晴らしい成績を残した。ただし、クローザー経験は4人のなかで最も少なく、昨季の4セーブがキャリアハイである。

レイズ時代の2019年に20セーブを記録したパガーンは「クローザーをやりたい」と意欲を見せている。しかし、「このチームには4人のクローザー経験者がいて、クローザーを務める能力がある投手はもっと多い」とチーム状況も理解。「クローザーになって40セーブを記録できたら嬉しいけど、もし0セーブでもワールドシリーズ制覇できるなら幸せだよ」とチーム優先の姿勢を示している。

クローザーとしての実績が最も多いのは通算205セーブのマランソンだ。昨季はブレーブスのクローザーとして11セーブを記録。パイレーツ時代の2015年には自己最多の51セーブで最多セーブのタイトルも手にしている。実績だけを見れば、クローザーの最有力候補と言えるだろう。

ケラはレンジャーズ時代にクローザーの経験があり、2018年に24セーブを記録。ただし、それ以降は故障が相次ぎ、2019年は32試合、昨季は3試合しか投げていない。クローザーよりも負担の少ない役割からのスタートとなるのではないだろうか。

各球団のロースター状況を整理している「Roster Resource」ではマランソンが7回、パガーンが8回、ポメランツが9回を担うと予想されている。予想通りになるのか、あるいは別の形で開幕を迎えるのか。パドレスのクローザー争いの行方に注目だ。

© MLB Advanced Media, LP.