笑顔も運ぶリヤカー 横浜の女性、古希で起業 地域密着即席フリマ、コロナ禍に可能性

リヤカーで移動しながら中古品販売を始めた近恵子さん=横浜市緑区

 横浜市緑区の近(こん)恵子さん(70)が2月から、小型リヤカーを使って移動式の中古品販売を始めた。コロナ禍で自宅の整頓に精を出す人が増え、家庭ごみが増えたとのニュースに接し、可能性を見いだした。

 中古品の売買などに必要な古物商の許可を取得し、古希で歩み出した新たな道。「地域密着でにぎわいと笑顔を広げたい」と意気込む。

 2月中旬の昼下がり、同区東本郷を移動しながら即席フリーマーケットをうたった「keiちゃん」が始動した。自身の名前が由来で、緑色ののぼり旗が目印だ。インターネット通販で購入した折り畳み式リヤカーには私物の古着やかばん、雑貨、電化製品など約40点がずらり。格安の価格設定で利益は度外視しているという。

 早速、近所に住む男性(71)が近さんに声を掛けた。フリーマーケットが好きという男性は探し求めていた黒のショルダーバッグを購入し、近さんとたわいない会話も楽しんだ。コロナ禍でフリーマーケットが姿を消しているだけに男性は「移動式のスタイルだが、また近くに来たら立ち寄りたい。楽しみが増えた」と喜んだ。

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