京口紘人がWBA世界ライトフライ級王座V3 ジャブでペースつかみベガにTKO勝ち

京口紘人

プロボクシングのWBA世界ライトフライ級タイトルマッチは13日(日本時間14日)、米テキサス州ダラスのアメリカンエアラインズ・センターで行われ、同級スーパー王者の京口紘人(27=ワタナベ)が、挑戦者で同級10位のアクセル・アラゴン・ベガ(20=メキシコ)を5ラウンド(R)TKO勝ちし、3度目の防衛に成功した。

引き締まった表情でリングインした京口は、開始から積極的なジャブでペースをつくる。身長146センチの挑戦者に接近戦を強いられたが、左ボディーを効果的にヒットさせた。場内が「メヒコ」コールが沸く中でも、落ち着いた立ち上がりを見せた。

2Rは相手が前に出て打ち合いの展開。警戒していた大振りの右を被弾し、ロープを背負う場面もあったが、3Rには再度、ジャブで距離を取り、立て直す。そして5R、右フックを出した挑戦者が拳を痛め、顔をゆがめながら後退。追撃を狙おうとしたところでレフェリーが間に入り、TKO勝ちが宣告された。

3度目の防衛を達成した王者は「アメリカのリングで勝てて良かった。相手が思ったより下がらなかったので、中間距離でのジャブを多用した。自分で整理して冷静にゲームメークできた。欲を言えば倒したかったし、少し残念だがそれもボクシング。アウェーな感じもあったが、そういったファンにも僕のボクシングが少しは面白く思ってもらえたかな」と振り返った。

昨年12月に英興行大手「マッチルーム」と契約して実現した初の海外戦だったが、しっかりと結果でアピール。昨年11月に大阪で予定されていた防衛戦は、自身の新型コロナウイルス感染により中止。後遺症で一時、不眠症になるなど苦しんだ時期もあったが、不屈の闘争心で乗り越えた。

今後に向けては「ベストな階級で長く王者でいたい思いはあるので、まずは統一戦。その後フライ級に上げていきたい思いはもちろんある」と見通しを語った。

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