2020年4月30日に亡くなったドラマー、トニー・アレン。ブライアン・イーノをして「史上最高のドラマー」と言わしめたアフロビートの帝王による新アルバム『ゼア・イズ・ノー・エンド』が、亡くなって1年となる4月30日にリリースされることが決定。あわせて、同作から「コズモシス(feat. ベン・オクリ & スケプタ)」の先行配信がスタートするとともにミュージック・ビデオ(MV)を公開している。
Youtube:Tony Allen - Cosmosis ft. Skepta, Ben Okri
『ゼア・イズ・ノー・エンド』は、トニーが亡くなる直前にレコーディングしていた遺作と位置付けられるもの。アート・ブレイキーのトリビュートやジェフ・ミルズとのコラボレーションなど近年は冒険心溢れるプロジェクトに取り組んでいた彼だが、本作で彼がコンセプトとして置いていたのはヒップホップ。
「素晴らしい才能を持つ若い世代を世に送り出したい」というトニーの願いを反映する形で、スケプタやダニー・ブラウン、サンパ・ザ・グレイトといった豪華な面子のみならずナー・イートやコリアタウン・オディティ、ラヴァ・ラ・ルーなど才能溢れる気鋭のアーティストまで幅広く各トラックにフィーチャリングされている。最期まで実験的なスピリットを失わなかったトニー・アレンの冒険心、クリエイティビティを存分に感じ取れる充実の内容だ。
今回のアルバムについて、プロデューサーのヴィンセント・テーガーは「私にとってトニーは、言葉抜きで色々なことを教えてくれる教師のような存在だった。亡くなってなおアーティストとしての素晴らしいヴィジョンに満ちているドラマーであり守護者だ」とコメント。
「コズモシス」に参加したナイジェリアの詩人/小説家であるベン・オクリは「トニーはあと150年ほど生きて、新たな音楽の世界を創り上げていけるような人でした。彼は自身の芸術のシャーマン的な存在となったのです。彼は自分自身、そして自身のマインドをよく理解していました。彼はこのアルバムを若い世代のエネルギーへと開放したかったのです。そして彼は自身のシンプルなビートで、まるで偉大な数学者や科学者が新たな世界への数式を発見するかのように、素晴らしいキャンバスを描きあげたのです」と話す。
また、「コズモシス」は今作の中でも最初にレコーディングされたトラック。ベン・オクリ、スケプタのフィーチャリングに加えデーモン・アルバーン(ブラー、ゴリラズ)とも共演。トニーならではのビートにデーモンの印象的なオルガンが絡み合い、その上をベン・オクリのポエトリー・リーディングとスケプタのフローが飛び交う秀逸な仕上がりとなっている。日本盤には限定ボーナス・トラックとして「コズモシス」のインストゥルメンタルを収録している。
■商品情報
トニー・アレン
ニュー・アルバム『ゼア・イズ・ノー・エンド』
2021年4月30日発売
UCCQ-1137
¥2,860(税込)