昨季パ最少の67盗塁… 楽天の新任・岡田幸文コーチは自信「必ず増やすことができる!」

ナインの練習を見守る楽天・岡田コーチ(奥)

田中将大投手(32)の電撃加入で注目を浴びる楽天だが、そんな最中に石井一久GM兼監督(47)から厳命を受け、チームの外野守備強化に力を入れる新任コーチがいる。元ロッテの名外野手・岡田幸文外野守備走塁コーチ(36)だ。現役時代には圧倒的な守備力を誇り、数々の好捕でファンを魅了した守備職人。どのような姿勢でチームの外野守備を向上させようとしているのか。昨季、チーム盗塁数がリーグ最下位だった走塁面も含め、直撃した。

――2018年に現役引退後、昨季まで独立リーグの栃木で2年間指導者としてのキャリアを積み、今季楽天のコーチに就任した。NPBでは指導者として1年目になるが楽天の雰囲気は

岡田コーチ すごく明るくていい感じです。現役の時のロッテ時代もそうでしたが、楽天もチーム全体が明るい雰囲気で、選手のやる気というか気持ちも伝わってくる。いい意味で緊迫感もあって。強いチームだな、という感じはしますね。

――コーチ就任にあたり、石井GM兼監督からはどう言われているのか

岡田コーチ まず強化してほしいと言われているのは、外野手の正面の打球に対する反応、入り方。そこを細かく教えてほしいと。チームは素晴らしい打者が揃い得点力があります。投手陣も田中投手が入ってますます強化されている。その中で守備、特に外野陣はチームが勝つために何をすべきかと言えば、僅差の試合や1点を守り抜くため、守備で極力ミスをなくすこと。これに尽きます。外野手のミスは内野手とは違い、得点に結びつきやすいですからね。その中でミスが出やすいのは正面の打球なんです。左右に飛んでくる打球に比べ、正面から向かってくる打球は皆さんが想像する以上に補球が難しい。打球への判断も遅れがちです。僕も現役時代に苦労しましたから。

――具体的に正面の打球に反応するためにどんな練習をしているのか

岡田コーチ 正直なところ、打球への反応は一歩目でほぼ決まる。その重要性をキャンプから選手たちに認識してもらい、基本の動きなどを体に覚えさせています。その積み重ねが試合で活きるので。楽天の外野手の個々の能力は非常に高い。そのレベルから上積みがあればさらに安定する。あとはボールをカットする際の投げるボールの正確さ、カットマンのいるラインの線からコースをそらさないとか。そういう積み重ねが1点に繋がってくるので、細かい点を各選手が意識してやってくれれば確実にリーグ屈指の外野陣になれると思う。教えている自分も(楽天外野陣には)期待しています。

――走塁面ではどうか。昨季、楽天の盗塁数はリーグ最下位(67個)に終わった。

岡田コーチ それは存じておりますよ(笑い)。その改善も石井監督から言われていますので。やはりチーム盗塁数が67個というのはさみしい。楽天には走れる選手が大勢いるわけですからね。投手、バッテリーのクセや傾向を見抜いていけば、この数は必ず増やすことができる。それにパ・リーグは好投手が多いので、少しでも次の塁を狙い1点を取りにいかないと試合にも勝てない。そういった戦略もチーム全体にあるので、今年は昨年のような盗塁数にはならないと思います。

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