石木ダム予定地 13世帯が清掃活動 集会の代替で

川原地区の清掃活動に取り組む反対住民=川棚町岩屋郷

 長崎県と佐世保市が東彼川棚町に計画する石木ダムの水没予定地・川原(こうばる)地区で暮らす反対住民13世帯は14日、石木川周辺の清掃活動に取り組んだ。例年は支援者を交えた集会を開くが、新型コロナウイルス感染防止のために見送り、代替行事として地元住民のみで実施した。
 住民でつくる絶対反対同盟が結成された1980年3月14日を記念し、毎年3月に「団結大会」を開くが、コロナ禍の影響で昨年は中止。今年も収束が見通せない中、古里を守る意志や地元同士の結束を確認しようと清掃を発案した。約20人が参加し、男性陣は川辺の草刈り、女性陣は集落のごみ拾いをした。
 同地区では土地収用法に基づき、2019年9月までに13世帯の宅地を含む全ての土地の所有権が県と同市に移った。住民の岩本宏之さん(76)は清掃中、自分が整備した水田で「ここは国有地です。使用を禁止します」という県の看板を見つけた。「何年もかけて農業がしやすいように自力で整備した土地。勝手にこんなものを立てて頭にくる」と憤り「命をかけて土地を守る」と決意を新たにしていた。

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