「反対住民と対話へ努力」 石木ダム建設事業で中村知事 長崎県議会

 長崎県と佐世保市が東彼川棚町に計画する石木ダム建設事業を巡り、中村法道知事は2日、県道付け替え道路工事現場で座り込みを続ける反対住民との対話について、「条件が整えば、静かな環境で話し合いたい」と、実現に向けて努力を続ける考えを改めて示した。
 県議会一般質問で中島廣義議員(自民・県民会議)に答えた。
 建設予定地の全ての土地所有権は県市に移り、家屋を強制撤去する行政代執行も可能な状態になっている。一方、中村知事は「円満に土地を明け渡してもらうのが最善」として、2019年9月以来の対話を模索。昨年末から河川課長らが複数回現場を訪れ、条件の調整を進めている。中島議員は「地域振興や将来の生活再建に向け、率直な意見交換の場を」と求めた。
 また、年度内着工に向けて準備が進むダム本体工事について、坂本智徳議員(自民)が進捗(しんちょく)状況を質問。住民が対話の条件として工事中断などを求めていることから、中村知事は「着工時期については、さまざまな状況を総合的に判断しなければならない」と述べた。

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