別れを告げる男に「私を捨てたら殺すわよ」 宿命背負う女性の切ない言葉 映画「水を抱く女」冒頭本編映像

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水の精・ウンディーネの神話をモチーフに、「愛する男に裏切られたとき、その男を殺して、水に還らなければならない」という切ない宿命を背負った女の物語した映画「水を抱く女」から、冒頭の本編映像が公開となった。

公開となった冒頭映像の舞台はカフェ。恋人ヨハネスから別れ話を切り出されたウンディーネは、ヨハネスがコーヒーを取りに行っている間に思わず涙を流す。席に戻ってきたヨハネスに「私を愛しているはず。永遠に」と話しかけ、「行っちゃダメ」と席を立とうとする彼を引き留めようとするウンディーネ。だが、考えを変える様子のないヨハネスにウンディーネは、「私を捨てたら殺すわよ」「分かってる?」と、意味深な言葉を投げかけるのだった。

強気な言葉とは対照的に、動揺した表情を見せるウンディーネ。そんなウンディーネを演じるパウラ・ベーアは、第70回ベルリン国際映画祭で銀熊賞(最優秀女優賞)を受賞している。前作「未来を乗り換えた男」に続いてパウラ・ベーアをヒロインに起用したペッツォルト監督は、「パウラ・ベーアは非常に若い女優ですが、他の人が歳をとってからしか経験できないようなことを表現することが出来る」と、演技力を称賛している。

「水を抱く女」は、「愛する男に裏切られたとき、その男を殺して、水に還らなければならない」という宿命を背負ったウンディーネの神話を、現代のベルリンにして幻想的に蘇らせた作品。監督・脚本を務めるのは、ドイツの歴史を描き続けてきたクリスティアン・ペッツォルト。ともにペッツォルト監督の前作「未来を乗り換えた男」に出演したパウラ・ベーアとフランツ・ロゴフスキが出演している。ウンディーネを演じたベーアは、ベルリン国際映画祭とヨーロッパ映画賞で女優賞を受賞する評価を受けている。

水を抱く女
2021年3月26日(金)より新宿武蔵野館ほか全国順次ロードショー
配給:彩プロ
© SCHRAMM FILM / LES FILMS DU LOSANGE / ZDF / ARTE / ARTE France Cinéma 2020

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