ともに主将 チームけん引 バスケB3で活躍 西海学園高OB

チームの攻守の要として活躍するアイシンAWのフォワード藤田(アイシンAWアレイオンズ安城提供、写真左) ひたむきなプレーでチームを引っ張る鹿児島のガード松崎(鹿児島レブナイズ提供、写真右)

 バスケットボール男子のプロクラブがしのぎを削るBリーグ。1部(B1=20チーム)、2部(B2=16チーム)への参入を目指すクラブが所属するプロ、アマ混成の3部(B3=11チーム)で、西海学園高出身の2選手がプレーしている。鹿児島レブナイズのガード松崎圭介(28)とアイシンAWアレイオンズ安城のフォワード藤田俊祐(27)。高校時代の先輩後輩だった2人は今、それぞれの主将としてチームを引っ張っている。

 松崎が3年生で主将、藤田が2年生だった2010年冬。西海学園高はウインターカップ(全国高校選抜優勝大会)に初出場した。その前年、松崎の同級生だったチームメートが大病を患い、闘病生活の末に他界。チームは「あいつのために」という思いも共有して、最高の結果を出した。
 松崎は卒業後、九州国際大に進学。持ち味の粘り強い守備に加え、シュート力に磨きをかけてチームの中心選手に成長した。迎えた最終学年の14年シーズン。相浦小、中、高校時代と同様に主将を任された身長182センチのガードは、チームを全九州大学リーグの2部から1部昇格へと導いた。
 大学卒業後の進路は迷った。一般企業から内定をもらっていたが、その後、B3の鹿児島から声が掛かった。「プロは考えてなかったけど、バスケットを続けたい思いが強かった」。悩んだ末に「今しかできない」と入団を決めた。
 藤田は広田中1年で競技を始めた身長187センチのフォワード。高校3年のシーズンは、得点源として県内公式戦無敗に貢献した。近大4年時には全日本大学選手権で5位入賞を果たした。
 卒業後は企業クラブのアイシンAWに就職。デビュー戦の相手は「とにかくまじめなキャプテンだった」という松崎がいる鹿児島だった。5年ぶりの再会が真剣勝負のコート。「偶然が重なりすぎて、会ったときは笑った。久しぶりに少し話して、試合でマッチアップもして。うまく活躍できて、接戦で勝てた」
 現在、1月に開幕したB3の2020~21シーズンで活躍する2人。B1、B2に比べて規模は小さいが、2人とも会場で迫力あるプレーを見てもらえれば、バスケットを好きになってもらえると自信を持っている。ファンとの距離の近さ、地域に根差した活動も含めて、競技生活にやりがいを感じている。
 今秋開幕予定の来シーズンからは長崎ヴェルカも参入する見込み。2人ともいつか地元でプレーできる日を心待ちにしながら「今後、長崎出身のBリーガーが増えてくれれば」と願っている。
 2人を育てた西海学園高の鍛治和彦監督は、OBたちの活躍が何よりもうれしい。「とにかくバスケットが好きというのが一番。引退しても指導者など競技に携わってもらえれば」と長崎バスケ界の成長、発展に期待している。

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