与謝野晶子が愛した料亭がカフェに 国登録有形文化財、横浜の「金澤園」

カフェとして開業した「金澤園」=横浜市金沢区

 歌人の与謝野晶子が眺望の素晴らしさをたたえた横浜市金沢区の料亭「金澤園」が、季節のタルトなどが味わえるカフェに生まれ変わった。国登録有形文化財の趣ある建物が、「お年寄りや犬の散歩客らが気軽に立ち寄れる場所」として親しまれている。

 1916年創業の金澤園は、横浜・桜木町にあった料亭「満月」が前身。関東大震災で焼失し、都内の和風建築を現在地に移築して開業した。与謝野晶子は30年の横浜貿易新報(神奈川新聞の前身)に寄せた随筆で美しい景観を絶賛、俳人高浜虚子も句会を開いた。

 建物内には、仏製ステンドグラスやモザイクタイルで装飾された浴室などが残っている。調理場を改装して昨年9月にカフェを開業した4代目のサイタマイコさんは「料亭時代に結納を挙げた常連客も訪れてくれた」と目を細める。

 平日は午前10時半~午後3時、土日は午前8時半~午後4時。火・水曜定休。貸しスペースとしても利用できる。問い合わせは、カフェ金澤園電話045(701)8664。

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