第14回「新型コロナウイルスに関するアンケート」調査

 1都3県の緊急事態宣言が3月21日で解除の見通しとなったが、コロナ禍が企業活動への「影響が継続している」は72.7%に達し、「すでに収束した」の8.2%を大きく引き離している。
 なかでも、宿泊業では「売上半減率」(前年同月比)が74.3%と、2カ月連続で7割を超えた。飲食業も41.5%に上り、一般個人を対象に営業を展開する業種(BtoC)を中心に、移動制限による深刻な影響は続いている。
 「在宅勤務・リモートワークが制度化」された企業は、大企業が53.7%、中小企業が23.6%と企業規模で差が生じている。また、4月の入社式の「オンライン開催」は、大企業が17.1%、中小企業が6.7%で、同様に規模格差がでた。
 経常収益の見通しでは、「黒字」は大企業71.5%、中小企業50.5%と、21.0ポイントの差がついた。売上減少に加え、コスト削減余力の乏しい中小企業の収益構造を反映している。
 コロナ収束後の懸念では、最も多かったのは「経済活性化に伴う人手不足」の47.5%だった。コロナ禍以降、悪化が続く完全失業率と有効求人倍率は緩やかに改善傾向を示している。ただ、コロナ前は人手不足が深刻な問題だっただけに、コロナ禍で可視化された在宅勤務への対応を含めた労働環境の差は、対応が遅れると人材確保でさらに格差が広がる可能性もある。

  • ※2021年3月1日~8日にインターネットでアンケートを実施し、有効回答9,832社を集計、分析した。
    資本金1億円以上を大企業、1億円未満や個人企業等を中小企業と定義した。

本調査結果の詳細はPDFファイルをご覧ください。

第14回「新型コロナウイルスに関するアンケート」調査[PDF:1.58MB]

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