長後駅東口の商店街に慶大生のカフェ 多世代憩える場に

カフェのオープンを祝う長後商店街協同組合の岩月理事長(左)、山村副理事長(左から3人目)、「Cafe Base 長後」を運営する佐伯さん(左から2人目)ら=藤沢市

 小田急線長後駅東口の長後商店街の一角に慶応大学湘南藤沢キャンパス(SFC、藤沢市遠藤)に通う学生が運営を担うカフェ「Cafe Base 長後」がこのほど、オープンした。多世代が憩える場所を提供しようと、商店街会館1階を改修。アフターコロナを見据え、飲食だけでなく、イベントも開催し地域交流の拠点を目指す。

 カフェを運営するのは、同商店街協同組合が取り組む活性化プロジェクトに参画している慶大環境情報学部3年の佐伯皇徳さん(21)ら4人が代表社員を務める合同会社。

 同組合は活性化事業の一環として、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う需要喚起策「Go To キャンペーン」の商店街支援事業の活用を検討。佐伯さんらが、商店街にスケートリンクの設置と期間限定のイベントカフェの開設を発案した。「若者ならではの斬新なアイデア」と、同組合の岩月徹理事長(73)と山村忠夫副理事長(77)らが賛同。昨年10、11月、国にぞれぞれ申請し採択された。

 しかし、商店街を挙げ準備を進めていた直後に新型コロナの「第3波」に見舞われた。今年1月に予定していたスケートリンク設置は延期を余儀なくされた。

 一方、同組合の倉庫として使われてきた同会館1階フロアの活用が決まっていたカフェについては、地域のニーズが高いと判断。イベントカフェでなく、常時営業する形態に変更し開設することを決めた。佐伯さんらは年明けから大量の荷物を片付け、リニューアルを経て開店にこぎ着けた。

 延べ床面積30平方メートルほどの店内は2人掛けのテーブルが六つ、4人掛け二つの計20席。機械でなく1杯ずつ手で入れる「手淹(ていれ)コーヒー」、ホットドッグ、ミートソースなど幅広い世代に好まれる喫茶店定番メニューを取りそろえている。

 「地元の人が憩い、さらに他地域から若者を呼び込む拠点になれば」と岩月理事長。佐伯さんは「地域に根付くカフェを目指し、商店街全体の活性化につなげたい」と意気込んでいる。

 原則年中無休で、営業時間は午前10時半~午後6時。新型コロナの感染状況を見極め、夜間の営業延長を検討している。問い合わせは同カフェ電話0466(98)5220。

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