神奈川県のPCR検査「ずさん」と指摘 委託業者のミスか、事実確認へ

神奈川県庁

 新型コロナウイルス対策として神奈川県が実施している高齢者施設従業員へのPCR検査を巡り、19日の県議会厚生常任委員会で、委員が委託業者によるずさんな検査が行われている可能性を指摘した。県は事実確認の調査に乗り出す方針を示した。

 県はクラスター(感染者集団)が多く発生している高齢者や障害者の入所施設について、従事者全員への定期的な検査を実施。申し込みがあった施設に、県から委託を受けた業者が検査キットを配送している。

 指摘した自民党の市川和広氏によると、検査をしていないのに業者から「全員陰性」を伝える検査結果が届いたり、100人の施設に200人分の検査キットが届けられたりした施設があるという。「受けてもいない検査に通知が来るのはあってはならない。県は認識しているのか」とただした。

 県側は「指摘された事実があれば、かなり重大な問題。施設側、事業者側の両面で早急に調査する」と答弁した。申し込んだ人数の倍のキットが届いたという横浜市内の施設の関係者は取材に、「業者は『ミス』という説明だったが、県はしっかりと監督してほしい」と話した。

© 株式会社神奈川新聞社