ヘタフェ・久保建英 急転U―24代表入りのウラ 移籍金が一気に13億円急落!

ヘタフェでは干されかけている(ロイター)

東京五輪で主力として期待されるMF久保建英(19=ヘタフェ)の招集問題が〝ケガの功名〟で解決する見通しとなっている。久保は19日に発表された国際親善試合のU―24アルゼンチン代表戦2試合(26日=東京、29日=北九州)に臨むU―24日本代表のメンバー入り。所属クラブで出場機会が激減している中、保有元のスペイン1部レアル・マドリードが、久保の本番出場へ態度を変化させたという。

A代表と活動が重なる3月と6月に森保一監督(52)に代わってU―24代表の指揮を執る横内昭展監督(53)は「五輪に向けて貴重な2試合の強化試合。この難しい状況の中、代表の親善試合を行わせていただけるのは、本当に感謝の気持ち」。

日本サッカー協会の反町康治技術委員長は「五輪があと4か月で始まる。我々はメダル獲得に向けて動き出さないといけない」と改めてメダル取りを目標に掲げた。

高い目標を達成するためにカギとなるのが、レギュラーの大半を占める欧州組を本番で招集できるかだ。五輪期間は国際Aマッチデーではないため毎回招集を巡ってすったもんだがあるが、今大会は新型コロナウイルス禍が終息しない中での開催となるため、ただでさえ派遣に消極的な欧州クラブがさらに渋る可能性が高い。

中でも久保の保有元であるレアル・マドリードは、ビッグクラブゆえに交渉の難航が予想されていたが、にわかに風向きが変わってきたようだ。海外組などを担当する代理人は「レアルはむしろ久保を快く送り出すのではないか。来季バリバリの戦力になる存在ではないし、今は評価が落ちている状況。この夏レンタルになるか(完全移籍で)売るかは分からないが、国際舞台で活躍して価値が上がればクラブにとっても利益があるだろうから」と指摘した。

久保は今季期限付き移籍したビリャレアルで結果を出せず1月にヘタフェへ再移籍。当初はあった出場機会も現在は減る一方で、13日のアトレチコ・マドリード戦は、ついに出番なしとなった。干されかけている窮状は移籍金の相場にも影響し、スペイン紙「アス」などは、3000万ユーロ(約38億4000万円)から2000万ユーロ(約25億6000万円)への急落を報じている。

今後もヘタフェでは好転が見込めそうもない中で、世界の強豪が集う五輪の舞台で活躍すれば、価値を再上昇させる起死回生の一手になりうる。現地ではRマドリードが今夏の放出リストに入れたと報じられているが、完全移籍で売却するにしても再びレンタル移籍させるにしても、クラブ側は東京五輪での活躍に望みを託すのが得策というわけだ。

皮肉にも現在の低迷によって五輪出場に青信号がともった格好。〝日本の至宝〟としてまずは強豪アルゼンチン相手にうっぷんを晴らす活躍を見せられるか。

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