横浜と石巻、若者と震災被災地の絆10年 自立支援団体が報告会

オンラインで東北ともつながった報告会=横浜市役所

 生きづらさを抱えた若者の自立支援に取り組むNPO法人「ヒューマンフェローシップ」(横浜市磯子区)が続けている東日本大震災復興支援活動の報告会が11日、横浜市役所で開かれた。交流がある東北の農家などもオンラインで参加し、10年にわたる歩みを振り返った。

 同法人は、元スタッフの亀山友理子さん(44)が出身地の宮城県石巻市で被災したことを受け、現地で支援活動を開始。経営難となった海産物販売店の男性と出会い、2011年11月からは、石巻市の海産物などを販売する「うんめぇもん市」を横浜市役所などでスタートさせた。製造や接客には不登校や引きこもり経験のある若者が携わり、開催回数は千回を超える。

 約50人が参加した報告会では、支援に取り組む中で石巻を気に入り、現地で暮らすことを決めた若者が10人ほどいることを紹介。再びスタッフとなった亀山さんは、震災を機に東北の過疎高齢化が加速しているとしつつ、「石巻を『生きやすい』と思う若者がいることに希望がある」と前を向いた。

 食材を提供する石巻の海産物販売店や福島県の農家もオンラインで参加し、「原発事故の風評被害は消えないが、地域の農産物を販売のテーブルに戻したい」「若者から活力をもらっている」などと、息の長い活動に感謝した。

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