『ろ過ボトル』で海洋ごみ減量 長崎東高2年生提案 SDGs題材、初の高校生選手権

水筒にろ過機能を付与した「ろ過ボトル」を提案する生徒ら=長崎市立山5丁目、長崎東高

 国連の「持続可能な開発目標(SDGs)」をテーマに、全国の高校生が企業と協働して新商品を提案する「第1回全国高校生SDGs選手権」は20日、オンラインで開かれ、県代表として県立長崎東高の2年生4人が出場。ペットボトルのごみ減量を目指し、フィルターなどを専門とする企業の技術を基に、水道水をろ過する機能を付加した水筒「ろ過ボトル」を提案した。

 教育事業の花形(京都市)などの共催で、計2日間で12校が出場した。
 長崎東高の2年生は昨年4月からSDGsをテーマに探究学習を開始。ごみを間違えて食べたクジラが死んだ海外の事例などを授業で学んだ。4人は「知らないところでこんなことが起きているのか」と問題意識を持ち、海洋ごみを取り上げることを決めた。
 現状把握のため、同10月に対馬市、五島市、長崎市の海岸に計6回赴き、漂着ごみの量や種類などを調査。一方で、同校の2年生全員に「水を飲むときに何を使うか」とアンケート。4割が「ペットボトル」と答え、海洋ごみ問題の一つにペットボトルの使用頻度が関わっていると考察した。
 主催者側から紹介された東京の企業と相談しながら実現可能な案を練り、ペットボトルの使用頻度を減らす策として、水道水をろ過してきれいな水を持ち運べる「ろ過ボトル」のアイデアが生まれた。容量は500ミリリットルを想定。
 選手権で、審査員からは「素晴らしいアイデア。次は、ボトルの必要性をどう広めるか考えて」などのアドバイスがあった。
 入賞は逃したが、メンバーの平山瑞季さん(17)は「長崎の海洋ごみの現状を伝えることができてよかった。エコバッグを使うなど環境に配慮して生活したい」と話した。

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