県内企業への内定率、過去最高 今春卒業の高校生56.3% 背景にコロナ、求人数は2割減

 長崎労働局は今春卒業予定の高校生の就職内定状況(1月末時点)をまとめた。県内企業への内定割合は6割に迫り、記録が残る1999年度以降、過去最高。新型コロナウイルスの感染が広がる県外での就職を避ける動きが背景にあるようだ。一方、学校側からは、求人数が減り生徒の希望とマッチングする難しさを嘆く声も聞かれた。
 就職希望者は前年同期比8.3%減の2815人。内定者は同11%減の2576人で、このうち県内企業は同2.6%減の1449人だった。県内内定割合は同5ポイント増の56.3%で、2年連続の上昇となった。全体の内定率は同2.9ポイント減の91.5%。
 求人数は同20.2%減の4065人。新型コロナの影響を受ける製造業や宿泊業・飲食サービス業などは前年と比べて大きく減ったが、その他の業種はほぼ例年並みだった。労働局は、県内企業の人手不足の現状を踏まえ「優秀な人材を確保するいいタイミングとみて活発に採用活動をした企業もあった」としている。
 学校現場はどうか。3年生の半数以上が就職する長崎女子商業高(長崎市)。本年度は就職希望者の96%が県内就職を望み、進路指導部の井上隆教諭は「これほど県内割合が高かったことはない」。背景には感染拡大地域での就職を心配する保護者の意向もあったという。
 同高への求人数は前年比で3分の2になった。事務やホテル、販売などを希望する生徒が多いが、例年十数施設から出ていたホテルの求人は、3施設に減った。販売の仕事も例年より少なく「求人と、生徒の希望とのマッチングが難しかった」。例年より多い5人程度が未内定だという。
 労働局は「求人情報の提供など細やかな個別支援に努め、一人でも多く学校紹介による就職が決まるよう取り組んでいく」としている。

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