誰もが楽しめる芸術とは 劇場整備でシンポ・横浜

障害の有無に関わらず、誰もが楽しめる舞台芸術をテーマにしたシンポジウム=横浜市戸塚区

 横浜市の林文子市長が強い意欲を示す新たな劇場整備を巡り、市は22日、障害児者の文化芸術活動に携わる有識者らによるシンポジウム「みんなが舞台芸術を楽しむために」を男女共同参画センター横浜フォーラム(同市戸塚区)で開催した。劇場を通した地域の活性化を目標に掲げ、誰もが楽しめる舞台芸術の在り方について意見を交わした。

 シンポでは、社会福祉法人「訪問の家」顧問の日浦美智江さん、ダンサーの近藤良平さんらが登壇。埼玉県内で障害児者とダンス公演を重ねる近藤さんは、メンバーの自由な表現力やエネルギーに驚いたといい、「壁は自分がつくっているのだと分かった」と振り返った。日浦さんも「情緒こそ、子どもたちに培ってほしい大事なもの」と力を込めた。

 横浜市南区で障害のある子どもたちにダンスを教えている永窪亜希子さんもオンラインで参加。同様の取り組みを始めたい人への支援事業の必要性を訴えた。 会場には市内外から42人が来場。参加者からは「ハコモノありきではなく、ソフト面でも市民のコンセンサスが得られる劇場を検討してほしい」などの意見が寄せられた。

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