遅すぎる河井夫妻の議員辞職 自民・二階幹事長「他山の石」発言に「自山の石だ」と野党激怒

河合克行被告(左)と案里氏(顔写真は自民・二階幹事長)

河井克行元法務相(58)が23日の東京地裁で開かれた買収罪に関する被告人質問で、無罪主張から一転、ほぼ全面的に起訴内容を認め、議員辞職も表明した。

一昨年の参議院広島選挙区で、河井被告は妻の河井案里元被告(47)を当選させるため、地元議員ら100人に現金2900万円を渡し、買収した罪に問われた。

同公判の被告人質問で、弁護側から起訴内容について問われると、河井被告は地元議員への現金提供を認めた上で「あからさまに投票依頼はしていないが、案里の当選を得たいという気持ちが全くなかったとは言えない」とし「買収罪の事実を争うことは致しません」と起訴内容の大半で認めた。

これを受けて自民党の二階俊博幹事長(82)は「党としても他山の石としてしっかり対応していかなくてはならない」とコメントした。

一昨年の同選挙をめぐっては、党本部から案里氏側に1億5000万円の選挙資金が提供されていたことが判明。地元議員を買収した原資になったとの見方もあるが、使途はいまだ明らかになっていない。

立憲民主党の福山哲郎幹事長(59)は会見で「議員辞職があまりにも遅すぎた。その上、歳費をもらい続けた。コロナ禍の状況で国民が苦しむ中、理解に苦しむ行動。説明責任は果たしていないし、自民党には猛省を促したい」と激怒した。

さらに二階氏が河井被告の問題を「他山の石」と表現したことには「違和感を覚えた」と指摘。「他山の石とは、他の石を見て、自身を顧みるという意味ではないか。自民党(に取って河井夫妻の問題)は、他山じゃなくて、自山の石だと思います」(福山氏)

立民は自民党と河井夫妻をめぐる使途不明の選挙資金問題について、今後も国会で追及していくという。

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