被爆柱時計のレプリカ完成 館外での原爆展などでも活用へ 長崎原爆資料館

柱時計のレプリカ(手前)の説明を聞く運営審議会委員=長崎市、長崎原爆資料館

 長崎原爆資料館(長崎市平野町)の代表的な展示品で、長崎原爆がさく裂した午前11時2分で針が止まった柱時計のレプリカが完成し、同館は24日、公開を始めた。本物の柱時計は部品がさび付くなど経年劣化が進んでおり、将来的に展示できなくなる事態に備え市が製作に着手していた。今後は館外での原爆展などでも活用する方針。
 同日の同館運営審議会で市が報告した。柱時計は高さ52センチ、幅27センチ、奥行き20センチ。爆心地から約800メートルの山王神社(坂本2丁目)近くの民家で使われていた物で、同館の前身の市原爆資料館(通称・六角堂)時代から展示されている。
 針や振り子がさび付くなど劣化が進んでいる。昨年10月に同館から本物を搬出し、東京の業者が原寸大のレプリカを完成させた。常設展示室入り口前に展示している。
 市原爆被爆対策部の中川正仁部長は「今後は黒焦げの弁当箱など他の展示物のレプリカも計画的に製作を進めていきたい」と話した。市はこのほか、新年度から被爆者が描いた絵の収集に乗り出すことなどを審議会で報告した。

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