石木ダム工事差し止め訴訟 弁論で反対住民「翻弄はたくさん」

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 長崎県と佐世保市が東彼川棚町に計画する石木ダム建設事業を巡り、水没予定地の住民らが県と同市に工事差し止めを求めた訴訟の控訴審第3回口頭弁論が25日、福岡高裁(森冨義明裁判長)であった。原告で住民の岩本宏之さん(76)が意見陳述で「ダムに翻弄(ほんろう)される人生はたくさん」と訴えた。次回期日は6月18日。
 裁判長の交代に伴い原告と代理人弁護士計5人があらためて陳述。住み慣れた土地で暮らす「平穏生活権」や利水面、治水面でのダムの問題点を主張した。
 岩本さんは、県が地元の同意を得た後に工事に着手すると約束した1972年の「覚書」を引用し「県が約束を破ったことは明らか」と強調。付け替え道路工事現場での連日の抗議活動で「心身共に疲れ果てている」と窮状を訴えた。
 県と同市は「平穏生活権」の妥当性に反論する準備書面をそれぞれ提出。共に結審を求めたが、裁判所は「原告側の反論の機会を設けたい」として弁論の続行を決めた。