長崎大と平戸市が協定 国際的医師育成へ連携

連携協定を結んだ河野学長(前列左から2人目)と黒田市長(同3人目)=長崎市、長崎大文教キャンパス

 長崎大と平戸市は25日、平戸市民病院を拠点に途上国などで国際的に活躍できる医師らを育成する「国境を越えた地域医療支援事業」の連携協定を結んだ。幅広い分野の診療に対応する総合診療専門医などを育てつつ、国内滞在時は同病院で地域医療に携わってもらうことで、同市の課題である医師確保にもつなげる。
 長崎大と平戸市は2005年に同病院を拠点に過疎・へき地の医療を担う人材育成を開始。20年度は新たに、長崎大の強みを生かして国際貢献を目指す医師を育てる事業も試験的に実施した。新型コロナウイルス流行の影響で海外活動は限定的だったが、事業を通じ新たに医師2人が同病院で地域医療に携わっている。
 4月に始める「国境を越えた地域医療支援事業」ではこれらの取り組みを発展的に統合し、長崎大学病院総合診療科も参画する。研修を受ける医師らのリクルートは今後進める。
 長崎市文教町の長崎大文教キャンパスで締結式があり、河野茂学長はコロナのパンデミック(世界的流行)に触れ「日本だけでなく、国際的な医療に興味を持つ人もいるだろう。(事業が)長崎大の特長の一つとなるよう期待している」とあいさつ。平戸市の黒田成彦市長は「大きな飛躍の一歩を踏みだした。互いの強みを生かしていきたい」と述べた。

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