白血病・脳腫瘍発生率最大5倍近く 「被爆」低線量でも 長崎市研究会会長「意味のある結果」

欧米95万人CTスキャン調査報告

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 長崎市が被爆地域の拡大是正や原爆症認定制度の課題解決を目指し設置した市原子爆弾放射線影響研究会(朝長万左男会長)の会合が25日、市内であった。国が定める市の「被爆地域」外にいた被爆体験者と同程度の線量(20~25ミリシーベルト)のCTスキャンをした欧米の20歳までの約95万人を調査した結果、スキャンをしていない人と比べ、白血病や脳腫瘍の発生率が最大5倍近くだったとする海外の最新の論文が報告された。
 朝長会長によると、同研究は世界最大規模。取材に、CTスキャンによる被ばくが「白血病などを引き起こす危険性を証明すると考えられる」とした上で「被爆体験者にとって大変意味のある結果」と述べた。他の委員からは、約95万人は検査のために病院を受診しており「既に疾病を持っていた可能性もあるのでは」などと、研究結果の根拠を問う意見も相次いだ。
 論文の研究は、英仏独など9カ国の放射線医学の専門家らが2011年から着手。今後、具体的な放射線量に対する人体への影響など研究の詳細をまとめた論文の発表が予定されており、委員らが再度検討する。
 研究会は13年12月に設置し、専門家6人で構成。会合は12回目。次回は夏ごろを予定している。新年度中に結論を出す方針。