フルーティーな「香辛子」全国展開へ  川崎生まれ、新種の唐辛子

川崎生まれの野菜として全国展開を目指す香辛子

 川崎生まれの新種の唐辛子「香辛子(こうがらし)」の苗が4月上旬から順次、全国のホームセンターや園芸店などで販売される。2019年の開発以来、多くの加工食品が開発されたが、生鮮野菜としては流通してこなかった。苗の販売で全国での展開を目指しており、情報を発信するホームページも開設された。

 香辛子は食品大手、味の素の研究所(川崎区)で開発。フルーティーな香りとうまみ、穏やかな辛みが特徴で、カロテノイドなどの健康成分を含む。市は普及に向けて市内事業者とのマッチングを進め、これまで40件の飲食店や食品加工業者が商品を開発した。

 一方、生産量が少ないため、生の香辛子は限られた直売所などでしか販売されていない。今回、野菜としての全国での知名度向上を狙い、種苗大手のベルグアース(愛媛県)と連携し苗の販売を決めた。

 苗は4品種で、「ハバネロ系インフィニティ」「ブートジョロキア」の、それぞれ赤、オレンジ色。一般家庭でも育てやすいという。1株327円で、全国約500店舗で取り扱う予定だ。また、販売に先立ち、商品などの情報を一元化した公式ホームページを今月25日に開設した。

 普及を目指してきた市イノベーション推進室の担当者は「川崎生まれの野菜として、全国に羽ばたいてほしい」と意気込んでいる。ホームページでは、新商品の「香辛子入り納豆どれっしんぐ」「香辛子入り塩麹ポン酢」などのプレゼント企画を4月15日まで実施している。詳しくは、「かわさき生まれの燃焼系やさい『香辛子』」の公式ホームページへ。

© 株式会社神奈川新聞社