Gの主砲・岡本和「鼻毛キャラ問題」解消しスッキリ発進

鼻毛キャラを卒業した巨人・岡本和

巨人は28日のDeNA戦(東京ドーム)を1―1の引き分けに持ち込み、開幕カードを2勝1分けで快調発進した。3連戦ではFA加入した梶谷隆幸外野手(32)の活躍も光ったが、不動の4番に座る岡本和真内野手(24)も好調だ。その裏では昨季の球団や原辰徳監督(62)を悩ませた「鼻毛VS若大将」のキャラ問題に、人知れずケリをつけていた。

初黒星は免れた。5回まで元同僚の相手先発・平良に完全投球を許したが、8回に梶谷が4番手の石田から右前へ価値ある同点適時打。前日27日には満塁本塁打と2盗塁を決めるなど、古巣との開幕3連戦で大きな存在感を示した。

ただ、チーム全体に安心感をもたらす一人は打線の中心に座る岡本和だろう。チーム4安打に封じられたこの日も、唯一マルチ安打をマーク。まだ3試合ながら打率3割3分3厘、2打点を挙げ、凡退した打席でもフェンスギリギリの大飛球も放っており、今季初アーチの予感もさせている。

2021年も順調に滑りだした一方で、昨季中に周囲を悩ませた岡本和ならではの〝キャラ問題〟を実力で収束させていた。昨年の自主調整期間中に主力ナインからファンに向けて発せられた、岡本和の伸ばし放題となっていた鼻毛の話題が大きな反響を呼び、球団内では「巨人の4番が鼻毛キャラになったらねえ…」と困惑の声が広がった。

ましてや、原監督が自ら岡本和を「若大将」と命名した直後。名付け親となった指揮官も主砲の〝鼻毛問題〟には敏感に反応し、妙な流れを制するように「鼻毛はちゃんと処理しなきゃダメだね。猫のヒゲじゃないんだから、生やせばいいってもんじゃない。やっぱり身だしなみとしてね。若大将って命名しているんだから。田舎の大将じゃないんだから。やっぱりきれいにしてもらわないとね」とチクリとやったほどだった。

ひょんなことから脱線した〝論争〟に発展してしまったのも岡本和らしいが、本人は120試合の短縮日程でも31本塁打、97打点を叩きだして自身初の2冠に輝いた。チーム関係者によると、今年に入ってから「もう鼻毛の話は聞かなくなりました」とのこと。どうやら本人も気にしてしっかり処理をしているようで、見た目で鼻毛がボーンと飛び出しているような日は、今年に入ってからは見かけなくなった。周囲も「あれだけの結果を残し、中心選手としての自覚も十分ある。すっかり『若大将』ですよ」という。

球団も指揮官も困らせた〝鼻毛キャラ〟を、晴れて一掃した若大将は「去年良かったから、今年もいい保証なんてない。どんな形であれ、泥臭くいきたい」と意気込んでいる。あとは、処理に油断しないことと、G党待望の特大弾を待つばかりだ。

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