確かな成長の跡を示した。昨秋、九州予選で3位だったボート男子かじ付き4人スカルの大村が全国3位に輝いた。この大会の同種目で県勢男子が入賞するのは初めて。名切元監督は「気負わず冷静に対応してくれた。賢い子ばかりで、冬場の練習も本当に頑張った。桜に囲まれる中、素直にうれしい気持ちになっている」と声を弾ませた。
天候不良で直前に日程が短縮され、距離も2000メートルから1000メートルに変更。選手全員が「動揺した」が「条件はどこも同じ」と心技体をしっかり保った。敗者復活もなくなった中で予選を組1位で突破。この「会心のレース」(名切元監督)で勢いづいた。
約1週間前に整調服部と3番坪森のシートを入れ替えたことも奏功した。服部が「レート(オールを漕ぐピッチ)を上げても全体の統一感を絶対に崩さないようにした」と振り返ったように、決勝は残り300メートルからギアチェンジ。0.08秒差で4位をかわした。
2位熊本学園大付との差も、九州大会(1500メートル)の約10秒から0.99秒まで縮めた。「積極的に追い詰めた」(草野)、「心が折れそうになった練習を乗り切った成果」(大塚)、「焦らずに、自分たちのレースを意識した」(荒木)。一丸で大きな収穫を得た。
一方で、誰もが「まだまだ」「もっと」と言葉を続けたように、本番の夏へ課題と目標も明確になった。主将の服部は「個の力が足りない分、伸びしろも確認できた。全国レベルや雰囲気が分かり、自分たちもできると思った」と力強く前を見据えた。
高校選抜ボート 大村 県勢初の銅 成長示す一丸のレース
- Published
- 2021/03/29 11:11 (JST)
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