【新日本】IWGP世界ヘビー級ベルトに込められた思い 猪木氏への敬意と「迷わず行けよ!」道の精神

飯伏は新ベルトを持ってリングに上がった

ベルトに闘魂が宿った。新日本プロレスの新たな最高峰王座となるIWGP世界ヘビー級ベルトが30日の後楽園大会でお披露目され、初代王者の飯伏幸太(38)に贈呈された。大張高己社長(46)は新ベルトに込めた新日本創始者・アントニオ猪木氏(78)への敬意を胸に、団体として新しい“道”を歩む決意を明かした。

新ベルトのデザインは、初代から4代目までのIWGPヘビー級とインターコンチネンタル(IC)ベルトの各パーツが継承されており、「戦いの魂を受け継ぎ世界へ羽ばたく」というテーマが表現されている。

4月4日の東京・両国国技館大会でウィル・オスプレイ(27)とのV1戦を控える飯伏は「このベルトを日本だけじゃなく世界に向けて、そして今までの歴史を絶対に継いだまま、もっともっと大きく、新しくしていきたいと思います」と決意を表明した。

団体の歴史を継承したベルトにすることは重要なテーマの一つだった。大張社長は「世界中のレスラーたちが狙ってくるタイトルとして、まさに世界レベルの戦いにふさわしいデザインを目指しました。IWGPヘビー級とICのこれまでの戦い、そして選手たちの思いを全てで継承、結集し、IWGPが世界一であることを証明していくためのベルトです」と満足げな表情を浮かべた。

2冠統一に関してはファンの間で賛否を呼んだ。同社長は「すごく感激したんです。ファンの皆さんが、ここまで自分のこととして考えてくださっていることに」と受け止める一方で「変化を生む時は、どうしても否定的な意見は出るもの。ただ我々会社のスタッフはあくまで裏方。リングで戦う選手が証明してくれるはずですので、新しいベルトを巡る戦いにより一層、ご期待いただければ」とリング上のさらなる活性化を望む。

その思いを後押しするのが団体創設者から受け継ぐ精神だ。ベルト上部のライオンマーク周辺にあしらわれた炎は「燃える闘魂」を意味する。もちろん猪木氏への敬意を込めたものだ。「常に新しい道を模索してこられた方なので、そこは応援してくれるのではないかと思います。私がファンの時代、会場で猪木さんが必ずのように言っていたのは『今年は新日本が世界に羽ばたく年になると思います』と。それを具現化していく象徴でもありますから『迷わず行けよ!』と言ってくれるのではないでしょうか」(大張社長)

1972年の旗揚げ以来、新日本の歴史は革新の連続によってつくられてきた。IWGP世界ヘビー級王座は、その新たな象徴として団体の未来を照らす。

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