【空手】植草歩 指導者を刑事告訴の方向 パワハラ問題でイメージダウン懸念

植草歩

騒動の影響はいかに――。全日本空手道連盟(全空連)は、東京五輪・女子組手61キロ超級代表の植草歩(28=JAL)が香川政夫選手強化委員長(65)からパワーハラスメントを受けていたと訴えた件について、31日に都内で倫理委員会を開催。双方に事情聴取を行い、香川氏を処分する見通しを明らかにした。

植草は28日に自身のブログで、同氏によるパワハラの全容を告白。練習中に「(香川)師範の竹刀が私の目に当たってしまいました。『左眼球打撲傷』と診断されました」などと説明。一方の香川氏は「顔を突くことはない」と話していたが、全空連は「1月27日の帝京大学内の練習において、帝京大学師範香川政夫氏が竹刀を用いた練習を行い、植草歩選手が目を負傷したということが事実関係として認められました」と発表。さらに関係者によると、植草側は香川氏を傷害容疑で刑事告訴する方針だという。

東京五輪まで約4か月。空手界にとっては今回が初の五輪種目となるだけに「空手の魅力を発信しよう」と数々の普及活動を行ってきた。しかしトップ選手と強化委員長が対立するまさかの事態が発生。問題が表面化したときには、連盟内部から「大ごとにならないことを祈っています」との声が聞かれていた。

そんな願いもむなしく結果的に空手のイメージダウンにもつながりかねない“負のニュース”が広まってしまい、ある連盟関係者は「暗いニュースが出てきたのは本当に残念です。早く落ち着いてほしいです」と声を落とした。

すでに2024年のパリ五輪では、正式種目から外れている空手。28年ロサンゼルス五輪以降の再採用へ、空手界一体となって機運を高めなければならない中での不祥事は、大きな痛手となりそうだ。

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