福田富昭氏が全日本女子レスリング連盟の初代会長も務めた小野清子さん逝去にコメント「応援をしていただいた」

小野清子さん

18日に訃報が流れた体操女子の1964年東京五輪銅メダリスト・小野清子さんは、スポーツ界の要職を歴任し、女子レスリングの発展にも尽力していた。

小野さんが13日に85歳で死去したことは、かつて所属した自民党が発表した。新型コロナウイルスに感染して治療中だった。「鬼に金棒、小野に鉄棒」と言われた体操男子五輪金メダリストで夫の喬氏(89)と夫婦揃って60年ローマ、64年東京の五輪に出場。2児の母として臨んだ東京五輪では日本のママさん選手の先駆けとなり、団体戦で体操女子で日本史上唯一のメダルを獲得した。

引退後は政治家に転じて86年から参院議員を計3期務めた。2003年に女性初の国家公安委員長。サッカーくじ(toto)の導入などに尽力した。日本オリンピック委員会(JOC)副会長や日本スポーツ振興センター(JSC)理事長など数々の職歴の一つに、全日本女子レスリング連盟の初代会長があった。

同連盟が88年に発足した当時、女子選手の強化を図っていた現日本レスリング協会会長の福田富昭氏が、親交のある小野さんに会長就任を要請。同協会は死去にあたり、ホームページで「12年度まで約25年に渡って女子レスリングの発展を見守った」と伝えた。

同ホームページで福田会長は「長きに渡り全日本女子レスリング連盟の会長としてご尽力いただき、女子レスリングの応援をしていただきました。心よりお悔やみ申し上げますとともに、ご冥福をお祈りいたします。ありがとうございました」とコメント。4月10、11日に都内で行われるジュニアの大会で、黙とうや追悼セレモニーを実施することが検討されているという。

女性オリンピアンが集う「トータル・オリンピック・レディス会(TOL)」の初代会長も務めた小野さん。女性スポーツ発展の願いに、レスリング選手たちは応えて世界を制した。

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