【一問一答】長崎大学病院・泉川教授「変異株でも対策同じ」

引き続き感染拡大防止策の継続・徹底を呼び掛ける泉川教授(奥)=長崎市坂本1丁目、長崎大学病院

 大阪や宮城などで新型コロナウイルスの新規感染者が再び急増する中、長崎大学病院感染制御教育センター長の泉川公一教授は1日の会見で、本県の状況について「第4波の兆し」との認識を示した。3月31日に県内で初めて確認された変異株への注意点なども語った。

 -県内の現状は第4波の兆しと捉えているか。
 捉えている。かなり心配な状況。(新年度で)人の移動がピークに達していて、できるだけ患者が増えないよう対策をしてほしいというのが臨床現場からのお願いだ。第3波の際、確保した病床の大部分が使用され、医療機関は大変な状況になった。新年度が始まり、いろんなイベントがあると思うが、不要不急のものは避けてほしい。第3波の影響で他の病気の方々の救急医療や手術にも影響が出てしまった。

 -県内で変異株が確認された。注意点は。
 大都市圏で変異株が増えると長崎にも必ず来ると思っていた。必然的な流れだ。英国型はこれまでのものより感染力が強いとされており、その分患者が増えると重症化する人も増える可能性がある。一方で病院で行う治療や感染対策については大きく変わることはない。

 -変異株に感染した場合は国の方針で入院することになっている。病床が逼迫(ひっぱく)してしまうのではないか。
 非常に危惧している。第3波のときは軽症であればホテルや自宅で療養する場合もあったが、変異株の場合は原則入院。そうなると病床は非常に早く埋まってしまう可能性がある。

 -改めて注意点を。
 基本は「3密」の回避、マスクの着用、手指衛生をこまめにやること。もう一つは会食。「黙食」を心掛けてほしい。ご飯を食べ終わった後にマスクをしてから話してほしい。

© 株式会社長崎新聞社