被爆者や樹木医などの専門家でつくる「長崎市原子爆弾被災資料審議会」の樹木医らが3月30日、長崎市内の被爆樹木7本を調査した。結果を踏まえ、市が保存方法などを定める「被爆建造物等」に新たに加えるかどうかを判断する方針。
市は原爆の被害を受けた建築物や樹木などを、被爆の惨状を後世に伝える貴重な資料として保存している。現在122件あり、このうち被爆樹木は30件。被爆の痕跡などを基準に4段階にランク付けしている。
11歳の頃に被爆した千歳町の主婦、有馬紀美子さん(87)方では高さ約4メートルのカシの木を調査。樹木医の為永一夫さん(71)は「空洞や幹の亀裂は、原爆の熱線による影響だと考えられる。恐らく黒焦げだったのだろう。改めて樹木の生命力を感じた」と語った。
有馬さんは木が植えられた3歳の頃の家族写真を紹介。「木を見ると亡くなった母を思い出す。これからも新芽を出し、元気に育ってほしい」と話した。
長崎市の被爆樹木7本 樹木医ら調査、保存判断へ
- Published
- 2021/04/02 10:20 (JST)
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