「雲仙砂防管理センター」開所 復興事務所の業務引き継ぐ

除幕された「雲仙砂防管理センター」の看板を手にする金井所長(右)と西島砂防課長=島原市南下川尻町

 43人の犠牲者が出た1991年6月3日の雲仙・普賢岳大火砕流後、国直轄の砂防事業などを担ってきた国土交通省雲仙復興事務所(島原市)の廃止に伴い、同省長崎河川国道事務所の砂防課として新設された「雲仙砂防管理センター」が1日、現地に開所した。
 職員は6人体制。水無川流域の砂防ダムなど計65基の維持管理や堆積土砂の撤去工事、溶岩ドームの監視業務などを引き継ぐ。
 開所式では、長崎河川国道事務所の金井仁志所長らが同センターの看板(高さ2メートル、幅50センチ、厚さ約6センチ)を除幕。金井所長は「地域と一丸となって事業に取り組んできた復興事務所の精神を引き継ぎ、砂防管理を続けていきたい」とあいさつ。
 普賢岳山頂付近には約1億立方メートルの溶岩ドームが不安定な状態で存在。その直下の山腹斜面にも約1億7千万立方メートルの火山堆積物がある。西島純一郎砂防課長は「(地震発生などで)下流域に土石が押し寄せる恐れがあり、適切な維持管理が必要」と語った。

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