謎解きしながら城下町巡って 小田原市観光協会がイベント

小田原城周辺を謎解きしながら巡るイベントのチラシを手にする小田原駅観光案内所職員

 新型コロナウイルスの影響で激減した観光客を取り戻そうと、小田原市観光協会は3月30日から、謎解きしながら小田原城周辺を巡る体験イベントをスタートした。

 同協会によると、西日本では城下町を舞台にした謎解きイベントが多く展開されるが、関東圏では小田原城が初めてという。関係者は「これまで大型イベントが主流だった小田原観光。これからは『密』を避けた小規模の街歩きなどを考えないといけない」と模索を続ける。

 「歴史リアル謎解きゲーム『謎の城』in小田原城」と銘打ったイベントは、大阪市内のイベント会社などと連携し展開。「北条五代」をテーマに小田原城址公園や小田原かまぼこ通りなど城下町風情のあるスポット8カ所を巡る。

 チケットを購入し、小田原駅観光案内所で謎解きの問題を受け取り参加。問題は街中に立つ石標を題材にしたパズルなど計17問で、実際に現地に足を運ばないと解けないようになっている。参加者には記念品のマスクがプレゼントされる。

 県によると、2019年度には約620万人の観光客が小田原に足を運んだ。しかし、2度の緊急事態宣言で休館した小田原城天守閣は、今年3月22日から再開したものの1日の客足は例年の4割にとどまる。例年約60万人を数える入場者は、20年度約20万人まで落ち込む見通しだ。2月の小田原梅まつりも中止。例年20万人以上が訪れる北條五代祭りも今年は大幅な規模縮小を余儀なくされる。

 同協会はスマートフォンアプリを活用したスタンプラリーも開始するなど、街歩き企画にシフト。担当者は「大きなイベントは今後も難しい。普段足を運ばない所も巡ってもらえれば滞在時間も長くなり、周辺で飲食したりして客単価も上がる」と期待している。

 謎解きイベントは6月30日までで、チケットは1500円(天守閣と常盤木門SAMURAI館の入場料含む)。

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