巨人・野上が605日ぶりの一軍登板で6回2失点 宮本コーチも「頭脳的」と絶賛

6回にヤクルト・村上に一発を浴びヒザをつく巨人・野上

ついに復活ののろしを上げた。巨人の野上亮磨投手(33)が2日のヤクルト戦(東京ドーム)で605日ぶりの一軍の先発マウンドに上がり、6回95球を投げ4安打、2失点、7奪三振と好投。しかし、味方の援護なく敗戦投手となった。

球威のある直球と安定感ある制球力を武器に、5回まで許した安打はわずか2本とヤクルト打線を圧倒。6回一死一塁の場面で村上に126キロのスライダーを完ぺきに捉えられ先制2ランとされたが、久々の一軍登板ながらしっかりとゲームメークした。

登板後、野上は「今日は色々な方への感謝の気持ちを持ってマウンドに立ちました。1人1人、1球1球に気持ちを込めて噛みしめながら投球しましたが(本塁打の)あの1球は悔いが残ります。同じ後悔をしないためにも、またしっかりと練習したいと思います」と悔しさを露わに。

それでも、宮本投手チーフコーチは「本当にベテランらしい頭脳的なピッチング。これは非常に若い選手の参考になった。いいお手本を見せてくれたなと感じます」と絶賛。一旦は登録を抹消してファームでの再調整を明言したものの「間違いなく次、近いうちにチャンスがあるので。(先発で)次、第一に呼べる選手というのは野上になるかと思うんで」と、高い評価を口にした。

野上は一昨年10月に左アキレス腱の再建手術を経験。昨季は一軍登板なしと悔しいシーズンを過ごした。この日は登板予定だったエース・菅野が脚部不安で回避し、代役として指名を受けたが、なんとか与えられた役割は果たした格好だ。復活登板を果たした右腕の、さらなる活躍に期待がかかる。

© 株式会社東京スポーツ新聞社