上越市立歴史博物館と古径記念美術館 逸品展示、企画展始まる 15日まで時間延長

 上越市本城町の市立歴史博物館と小林古径記念美術館は4月から、新たな作品展を開いている。高田城址公園観桜会に合わせ、15日まで開館時間を午後7時まで延長している。

伊達政宗の書状など9点 6月13日まで新収蔵品展

 歴史博物館は6月13日まで、逸品展示「新収蔵品展」を行っている。同館は総合博物館から歴史博物館にリニューアルしたことを機に、高田図書館から歴史資料の引き継ぎを行っている。今回はその資料を中心に9点を展示している。

 展示は伊達政宗、堀秀治の書状、明治天皇北陸巡幸の際に使われたという椅子や記念の扁額(へんがく)など。また、旧高田藩士から人気浮世絵師になった楊洲周延がその活動初期に高田の絵師、青木崑山と合作した「天満宮図」や、昭和10年の観桜会ポスターも展示している。

 花岡公貴副館長は「数は少ないが、見てもらう価値があるものが集まった」と話している。

6月20日まで所蔵品など 古径と院展の作家たち

 小林古径記念美術館は6月20日まで、春季企画展「古径と院展の作家たち」を開いている。古径と、古径が同人として活躍した日本美術院の作家の作品を展示している。

 作品は院展の初期を支えた横山大観や下村観山、古径と共に院展三羽ガラスと呼ばれた安田靫彦や前田青邨らのものを同館所蔵を中心に展示している。同館の小川陽子学芸員は「流派の違う画家と集い、多くの影響を受けて後の世代に影響を与えた」と、古径と院展との関わりを説明した。

 古径の作品を展示する「古径記念室」は古径が描いた春から秋にかけての植物を展示している。古径の命日の3日は午前10時と午後2時から、「映像で偲ぶ古径忌」を行う。参加無料、申し込み不要。

院展作家の中で古径の作品と使っていた画材を展示しているコーナー

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