ソフトバンクがまさかの5連敗 12球団ワーストの48四球が打撃に影響か

王球団会長と話し込む工藤監督(中)。右は小久保ヘッド

ただ攻撃陣が打てないだけなのか…。王者ソフトバンクが4日の西武戦(ペイペイ)に2―4で敗れて5連敗を喫した。覇権奪回を狙うライバルの獅子に、本拠地で3タテを食らうのはダイエー時代の2004年以来17年ぶり。“スロースターター”の印象も強い鷹だけに慌てるそぶりはないが、低調な打線が気がかりなのは間違いない。

開幕4連勝発進を決めたが、3カードを終えて借金生活に転落した。この5連敗中は2得点以下が4試合で、合計しても10得点。ここまでリーグワーストのチーム打率2割1分7厘という数字が物語るように打てていない。

攻撃陣がやり玉に挙げられるのは仕方がない。だが、そこだけに原因を求めるのは短絡的との見方がチーム内にはある。投打は持ちつ持たれつ。ゆえにこんな声が上がる。「守備時間が長い。そういう点で四球の多さは気になる。野手が疲弊してしまう」。9試合で48四球は12球団ワースト。飛び抜けた数もさることながら、四球に起因する間延びした守りが攻守のリズムを崩し、野手陣の体力、集中力を欠き、打撃にも悪影響を及ぼしているのではないか――という指摘だ。

この日は攻撃陣が9安打を放ち、3度の満塁機をつくった。工藤公康監督(57)も「形ができるようになってきている。少しずつだが、前に進んでいる」と前向きに評価した。それでも11残塁で2得点。この日は5投手で7四球だった。2点目を奪い追撃姿勢を見せた直後の7回の守りでは“攻めの投球”ながら2投手で1イニング3四球。間延び感は否めなかった。

うまくいかない今だからこそ、工藤監督は努めて明るく言った。「反省することは大事だが、前を向けない反省は意味がない。反省するところは反省して、その上で前を向くことが大事」。打線に光を見いだしつつ、さまざまな要素が絡み合う課題の原因を分析しているはずだ。締まったゲームで、巻き返しなるか――。

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