36年前のコンセプトカー日産 CUE-Xは今の当たり前を具現化していた!?

バブル絶頂期の少し前、1985年に発表された日産のコンセプトカーが「CUE-X」だ。デジタルメーターとセンターモニターを備え、手が届く範囲にさまざまなボタンを配置。さらに、ハンドルの真ん中が動かないというのも斬新なレイアウトだった。海外市場で戦う日産の高級車像を作り上げた斬新で先進的なコンセプトカー「CUE-X」を見ていこう。

日産 CUE-X

シンプルで落ち着きのあるスタイリング

日本経済がバブル時代に入りかけた1985年、東京モーターショーで発表された日産のラグジュアリーセダンのコンセプトカー「CUE-X」。折り目がついたようなショルダーラインと、盛り上りがあり面積の大きなボンネットが特徴的だ。

そして、CUE-Xのシンプルで落ち着きがあるスタイリングは、後に販売される日産 インフィニティQ45の原型であることが分かる。

1985年ってどんな年だった?

CUE-Xが登場した1985年は、日本人初の宇宙飛行士が誕生し「しもしも~?」でお馴染みのショルダーフォンが発売され、任天堂のファミコンが大ブーム。さらに交通関連では、青函トンネル本坑が貫通し関越自動車道の全線開通など、とにかく日本全体がパワフルだった。

そんな時代の勢いもあり、日産が北米で展開を予定していた高級ブランド「インフィニティ」のフラッグシップセダンとして、全く新しい高級セダンのコンセプトモデル CUE-Xが発表されたのである。

奇抜なインテリアが特徴のCUE-X

そして、日産 CUE-Xの注目すべきポイントといえば先進的なインテリアだ。デジタル表示のメーター、センタークラスターにつながるメーターフード、インパネ中央に鎮座するモニターは、今の時代に販売されている車を予言しているかのようなレイアウトと言える。

加えて、ハンドルのセンターに集中したタッチパネル式のようなスイッが未来的で、ハンドル中央のホーンパッドが動かないステアリングホイールは、1988年に登場する初代シーマにも繋がるデザインだ。

CUE-Xの室内が今では当たり前になった

高級感と未来感溢れる CUE-Xだが、残念ながらそのまま市販されることはなかった。

だが、連続性のあるインパネや、デジタルかされたモニターだらけのコックピットは、現在市販されているモデルにはごく当たり前のように採用されている装備だ。そんな装備の数々が、今から30年以上前に発表されていたことは改めて驚かされる。

【筆者:MOTA編集部】

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