【高校野球】苦しんだ中に見えた光 東海大菅生を救った背番号「10」左腕・櫻井海理の成長

先発した東海大菅生・櫻井海理【写真:川村虎大】

若林監督「投手がビシッとすれば夏も戦える」

高校野球の東京都春季大会2回戦8試合が7日に行われ、ダイワハウススタジアム八王子では今春の選抜高校野球大会で8強入りした東海大菅生が東京成徳大高に2-0で勝った。相手左腕・岩井拓巳投手(3年)の緩急をつけた投球に苦戦するも、鈴木悠平外野手(2年)が6回に放った2ランを、先発左腕の櫻井海理投手(3年)が守り切り、3安打完封を飾った。

東海大菅生打線は計4安打。東京成徳大高・岩井のチェンジアップに手を焼き、内野ゴロは実に14。若林泰弘監督は試合後、「変化球を引っ掛けないようにと意識してやってきたはずなんですが、まんまと岩井投手の術中にはまってしまいました」と敵のエースを褒め称えた。

勝ち上がってはいるが、苦しい戦いが続いている。初戦の八王子北には2度の三重殺を喰らい4-0で勝利。2回戦も鈴木悠の本塁打による2点のみ。本来の打力を発揮できずにいる。指揮官は「選抜後はこういった試合が続いてしまう。6年前(2015年)もそうでした。選手たちも気が抜けているわけではないでしょうが、まだ戦闘モードに入り切れていない」と、奮起を促した。

一方で収穫は9三振を奪い、被安打3で完封した背番号「10」の櫻井。指揮官は「元々イニングは投げられる投手。課題はメンタル面だった。なかなか点が取れないという状況で、9回まで投げ切ったというのは夏での計算もしやすい。打線は打てる選手がある程度いるので、あとは守りと投手陣。(鈴木)泰成や櫻井が頑張れるということがわかったという面では、次に繋がった」とうなずいた。

本塁打を放った鈴木悠も「なかなか点を取れず、流れはあまり良くなかった。でも櫻井さんがいいピッチングをしてくれていたので、先制点を取りたかった。最後まで点数を取られずに投げ切ったくれてとてもありがたかったです」と先輩に感謝した。

選抜では、エース本田峻也投手(3年)が左肩違和感のため1回戦の登板を回避。熱い夏を乗り切るには鈴木泰、櫻井らの成長が不可欠だろう。「投手がビシッとすれば、夏の暑い中で戦える」と若林監督は投手陣の底上げが必要不可欠と語った。(川村虎大 / Kodai Kawamura)

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