巨人・小林誠司が遠征中に登録抹消でザワザワ… 原監督の思惑はどこに

登録抹消となった小林。周辺が騒がしい

巨人は7日の阪神戦(甲子園)に1―7で今季初の連敗を喫し、貯金をすべて吐きだした。打線が冷え込む中、投手陣もつるべ打ちにされたが、この日は原辰徳監督(62)が下した決断がライバル球団をザワつかせた。今季は主に守備固め要員となっていた小林誠司捕手(31)の一軍登録を抹消。守備よりも攻撃重視型の布陣を敷いた格好だが、吉と出るのか、それとも――。

どうにもかみ合わない。打線の調子が上がらない中、この日は1番で固定してきた梶谷を2番で起用するなど打順を組み替えたが、得点はその梶谷による1点のみ。投手陣も今季ワーストの13安打を浴び、猛虎打線から主導権を握ることはできなかった。

まだ11試合を消化しただけとはいえ、喫緊の課題となっているのは攻撃陣だ。これで9試合連続で得点が3点以下となり、試合後の原監督は「展開としては良くないね。我慢、我慢」。丸ら4選手が新型コロナの陽性判定を受けて離脱しており、ない袖は振れないのも現実で、現有戦力でどうにかやりくりしていくしかない。

そんな中、指揮官の決断に他のセ球団からはどよめきが起こった。前日6日からの甲子園遠征に帯同していた小林が帰京し、この日から二軍に合流。出場こそしなかったものの、イースタン・ロッテ戦(ジャイアンツ球場)のベンチ入りメンバーに名を連ねていた。

小林の抹消理由について、元木ヘッドコーチは「バッティングとかをもう少し上げてこないと、スタメンでは使えないからね」と説明。小林に代わって一軍に昇格したのは、4年目捕手の岸田行倫捕手(24)でパンチ力にも定評があり、攻撃力アップを念頭に置いた入れ替えを行った模様だ。

ただ、小林抹消の受け止め方はチーム内外では異なるものだった。セ球団関係者の一人は、11日まで続く今回の遠征が始まった直後の降格とあって「何で? 小林は何かやらかしたの!?」と目を丸くした。

開幕からスタメンマスクをかぶってきたのは大城で、試合前の時点で小林の出場機会は6試合、炭谷は1試合。小林が打席に立ったのは犠打を決めた1度だけだった。

また、前出の関係者は「炭谷も岸田ももちろんいい選手ではあるけど、試合の終盤にあれだけの強い肩とディフェンス力がある小林に出てこられる方がしんどい。こちら側としては、ある意味ではありがたいけど、ビックリだね」とも明かした。

攻めと守りのどちらに重きを置くべきか…。この日は4度打席に立った大城をはじめ、途中出場した炭谷も岸田も無安打に倒れた。今後も首脳陣の試行錯誤は続きそうだ。

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