米澤森人 - 春風と共にやってきた脅威のシンガーソングライター!

1年越しの春に出すことが出来たので、本当に頑張ってきて良かったなと思えた感じがします

──先日『春風は君のもの』を配信リリースされましたが、今の心境を聞かせてください。

米澤:

この1年はもともと予定していたようには動けなかったので悔しい思いがありましたが、1年越しの春に出すことが出来たので、本当に頑張ってきて良かったなと思えた感じがします。

──『春風は君のもの』はいつから制作していたのでしょうか。

米澤:

この曲は、コロナ禍になる前の2020年春にリリースしたかった曲で、2019年冬辺りから作り始めていました。丁度、通っていた専門学校が、2020年の春に閉校になるという背景もありその時期に作りました。

──リリース時は春で、東京では桜が咲き始めている頃ですが米澤くんにとって春はどんな印象ですか?

米澤:

いつも新しいチャレンジが始まる時なので、風が吹いていく感じや風が後押ししてくれる感じ。新しいものが始まる季節という感じがします。

──この曲はどんな思いで制作しましたか。

米澤:

高校から大学、大学から社会人になり、環境が変わる時は、それまでに一緒に働いていた仲間や学校にいた仲間とどうしても会えなくなってしまう人もいると思い、環境が変わり会えなくなってしまった人がいても、それぞれ自分の好きなことを追い求めて頑張って欲しい、自分も頑張りたいなという思いがベースにあり作りました。

──この曲のこだわりを聞かせてください。

米澤:

自分でアレンジまで全て作るので、どこもこだわりがあるのですが、特に歌詞はこだわって作りました。

──スムーズに制作出来ましたか?

米澤:

テーマと自分の思いが強く重なっていたので、割とスムーズに出来たと思います。

──ミュージックビデオはどんなイメージで制作されたのでしょうか。

米澤:

風が吹いて新しい生活が始まっていく感じと、別れの切なさ、両方を感じられるMVになれば良いなと思って制作しました。土屋隆俊監督とお話しする中で最初のイメージがどんどん膨らんで具体的になっていって、さらに当日、飯田祐真さんが演じてくださっているのを見て、本当に風が吹いていく感じがしてすごく感動しました。素敵なMVになっているので、ぜひ沢山の人に見てもらえると嬉しいです。

──「春風は君のもの」のジャケットはどんなイメージで制作したのでしょうか?

米澤:

「コップ」のミュージックビデオとジャケットに引き続き、妹の米澤風花に制作してもらったのですが、元々の世界観がすごく面白いので、自由にいくつかアイデアを考えてもらう形にしました。もらったアイデアの中で、上下逆さまになった2つの画像が組み合わさっているものがあって、季節が進んで春に変わっていく感じと、時間を逆行して後悔している感じや切なさが共存しているイメージがして、すごく良いなと思って今回のデザインに決定しました。

いつもの自分や家で歌っている感じを見せることができて、新しい発信の仕方ができたと思いました

──リリースだけではなく、ライブが延期・中止と続きましたが当時はどんな心境でしたか。

米澤:

正直な所、当時はコロナがどういうものなのかが今以上に分からなくて、ライブをやりたいという気持ちもあったのですが、それよりもまずはそれぞれの健康が気になって。自分もだし、周りもだし、お客さんもだし。だからライブをとにかくやらなきゃという気持ちよりは、無事にみんながいてくれる方が大事だなと思いました。

──あれから1年が経ち、音楽活動をする上で見えてきた事もあると思います。

米澤:

リアルでのライブがやっと少しずつ再開という感じだと思うので、少しずつ状況が良くなってきて、生のライブを皆さんに見せる可能性があると思うととても楽しみに思います。また、配信で今後、海外の人に見せる機会になるかもしれないし、いろんな可能性が広がる感じがしています。

──米澤さんは、今年から定期的にYouTubeライブをやっていますがきっかけを教えてください。

米澤:

なかなか通常の形でのライブができないということで、定期的に何か発信したいなと思っていたので、それぞれが自宅で楽しんでもらえるようにと、僕も自宅からやってみても良いかなと思いチャレンジしました。

──実際、YouTubeライブをやってみていかがでしたか。

米澤:

家から発信する分、いつもの自分や家で歌っている感じを見せることができて、新しい発信の仕方ができたと思いました。これからいろいろと調整しながら更に良い形で見せることができればと思います。

──YouTubeのチャットには、温かいコメントが書かれていましたね。そんなコメントを受けていかがでしたか。

米澤:

嬉しいです。コメントを後からじっくり読み返せるのも一つの良さかもしれない。これからも沢山コメントを頂けると嬉しいです。

──視聴者から

YouTube

ライブで演奏する楽曲のリクエストを受け付けているようですね。

米澤:

YouTubeライブの前にインスタグラムでカバーやオリジナルのリクエストを聞き、そこから何曲か選んでセットリストに取り入れるということをやっています。

──普段のライブハウスでやるようなライブとはまた違う楽しみ方がありますよね。

米澤:

自分だけで曲を考えるよりは、お客さんが歌って欲しい曲を取り入れながらやるというのはYouTubeライブならではかもしれないです。

音楽だけは一生追い求められるのではないかと急に思いたち「やろう!!」と自分の中でなりました

──そもそも米澤さんが音楽を始めようとしたきっかけはなんだったのでしょうか。

米澤:

小さい頃から音楽を聴くのが好きで、洋楽から邦楽、色んなジャンルを聴いていました。小さい頃にピアノを習っていたのですが、「自分で曲を作って歌ってみよう!」というのはなくて。それまでは勉強やサッカーを一生懸命にやっていました。でも、18歳ぐらいの時に突然自分で音楽をやりたいという気持ちが沸いてきて。サッカーでケガがあったり、勉強もモチベーションがなかなか続かない時もあったりで、一生続くようなものにはならない感じがあって。その時に音楽だけは一生追い求められるのではないかと急に思い立ち、「やろう!!」と自分の中でなりました。

──音楽をやろうと思い立った頃からシンガーソングライター志望だったのでしょうか。

米澤:

今みたいな形での活動を具体的には想像してなく、漠然と「音楽がやりたい!」という感じでした。ピアノが弾けたので歌えれば完結出来るなという考えがあったので、音楽の専門学校のボーカル科に入り、人前ではカラオケでしか歌った事がない、一からの状態で歌の事を習いながら始めました。

──そうだったんですね。

米澤:

専門学校に入った時にバンドという選択肢も頭の中にありましたが、学校の選択授業でDTMの授業があり、その頃はDTMが何なのか分かっていなかったのですが、すぐにはまりこれだったら歌もやるし、DTMで全部楽器打ち込みが出来るし、ピアノも弾けるから自分で完結出来るとなり、一人でのスタイルがちょっとずつ出来上がってきた感じです。

──DTMを覚え一人でのスタイルが確立してからは積極的に曲作りに励んでいたと思うのですが、米澤くんにとって曲作りとはどういうことでしょうか?

米澤:

正直ずっと曲作りのことを考えているので、当たり前のものですね。ずっとあるものです。

──自分の音楽活動の他に作家活動やサポートキーボードをやっているとのことですが、自分の活動の時と作家やサポートの時は頭の使い方は違いますか?

米澤:

その曲によっても違うというのがあって、自分の作る曲の延長線上みたいな感じで出来るのもあれば、自分の曲としては作らないようなジャンルの曲もやるのでそれによって違うんですけど、基本的には作り始めは全く違う発想ですね。作っていくと結果、一緒になっているみたいな感じです。

──サポート活動はどうですか?

米澤:

サポートはポップスに関してはピアノは独学なので、そのスタイルをそのまま使える現場が多いので、自分が好きでピアノを家で弾いている時とそこまで変わらないかもしれない。

──人に提供する時と自分が歌う時の違いはなんですか?

米澤:

自分の曲の時は自分と自分の曲を聴いてくれる人の事を考えて作るし、他の方の曲を作る時はそのアーティストさんと、そのアーティストさんのお客さんのことを考えて作ります。誰を考えて作るかで作る過程も違ってきますね。

自分が作ってきたものや感情、その時の色々な状況も全部合わせて更に良い形で表現する場所ですね

──音楽をやろうと思いたった18歳の頃からライブをやりたいという想いはありましたか?

米澤:

ライブ活動自体はそこまで積極的にやっていなかったです。とにかく自分が良いと思う曲を沢山作るというのをメインにやってきましたが、曲が沢山出来てきたので、いろんな人に聴かせてみたいなと思い、ライブ活動を積極的に毎月やろうとなったのかもしれないですね。

──米澤さんにとってライブとはどんなものでしょうか?

米澤:

自分が作ってきたものや感情、その時の色々な状況も全部合わせて更に良い形で表現する場所ですね。

──米澤さんが初めて新宿ロフトに出演した時の印象や心境を聞かせてください。

米澤:

最初にロフトに出演したのは自分のアーティスト活動じゃなく、キーボードサポートとして出演しました。その時は空気に飲まれちゃった感じがありましたが、サポートしていたバンドメンバーから「新宿ロフトで開催している『TEENS MUSIC CAMP』に米澤森人として応募してみたら」と言ってもらったので、自分もエントリーし、2019年8月に出演が決まりました。既にサポートキーボートとして新宿ロフトのステージに立った事があったので、なんとなく場の雰囲気みたいなものは掴めてはいましたが、今まで自分が出演した会場の中では一番大きな場所なので、とても緊張しました。緊張したけど「ここに出れたんだ!」という、自分の中の情熱もあり印象に残っているライブですね。

次の自分みたいなものを見せることができたらなと思います

──配信リリースのあとには4月にレコ発ライブをロフトヘブンでやるとのことですけど、どんな公演にしたいですか?

米澤:

1年越しの開催みたいなところはありますが、このコロナがはさまった事で新しい考え方や音楽の新しい知識が入ってきているので、次の自分みたいなものを見せることができたらなと思います。

──今回リリースパーティーにワタナベタカシさん、橘尚輝 (カカポカジカ)さんを招いての開催となりますが、米澤さんから両者の紹介をお願いします。

米澤:

ワタナベタカシさんは、meiyoさん名義で昨年12月の”winter’s tale”という企画や、それまでも沢山のイベントでご一緒させていただいてます。普段生活の中でもかなり楽曲を聴かせていただいていて、癖になるけど優しいワタナベタカシさんの楽曲は音源でもライブでも、何度でも聴きたいなあと思います。橘尚輝さんは、カカポカジカというバンドのボーカルとして活動していて、今回はギター弾き語りソロで出演していただきます。音楽学校で同じクラスだったのですが、当時から声と楽曲の雰囲気がすごく素敵だなあと思っていて。今回、学校以外のライブでは初めての共演になるので、すごく楽しみです。

──この日は有観客ライブと配信で楽しむことができる公演ですね。

米澤:

お客さんの顔を見ながら歌うのが楽しみです。直接、ライブに来れない方も配信でゆっくり見る事が出来るので、来れる方も来れない方もどちらの方にも楽しんでもらえたらいいなと思います。

──それでは最後に今後の目標を聞かせてください。

米澤:

これまでライブがあまり出来なかった分、いろんな所でライブをしたいなと思います。あとはもっと沢山の方に曲を聴いてもらいたいです。ライブも楽曲制作もより大きなスケールで出来るようになると良いなと思います。

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