株式会社兼重(新潟県三条市)が破産申請、新型コロナによる県外販売休止の影響も

株式会社兼重(新潟県三条市、長沼重昭社長)が9日に事業を停止し、事後処理を若槻良宏弁護士ほか3人(弁護士法人青山法律事務所、新潟市中央区)に一任して新潟地裁三条支部に破産を申請した。負債総額は1億6,394万円。

兼重は1947年4月に個人創業、1952年8月に法人化した金物卸業者。主としてホームセンター以外の金物店や卸売業者への販売に傾倒し、扱い品の主力は園芸用品、農機具、利器工匠具、建築金物。ピークとなる1991年7月期の売上は13億円を超え、伝統的な打刃物の取扱いで同業他社との差別化を図り、専門家をターゲットとして、地場のメーカーより仕入れた半製品を同社で加工し地場産品として販売することも行っていた。

その後は商環境の変化に伴い売上は低下の一途を辿る中、新型コロナウイルスの影響から県外への販売が完全に休止。直近2020年7月期の売上は1億7,739万円まで後退し、営業赤字を余儀なくされていた。また、従前からの多大な金融債務の負担も強いられた状況にあり、遂に資金繰りも限界に達して今回の事態に至った。

なお、新潟県内における新型コロナウイルス関連破綻は16件目となる。

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